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〝父上〝と陰陽師

やっとパパが出てくるで


「紫耀様、そろそろお昼ご飯ですよ。」

『…?…あ!ほんとだ。』


パズルに集中していた紫耀は時計を見てハッとした。


クローシスと共に食堂へ向かうと、魔王が先についていた。


『父上!今日はお仕事沢山ではないんですね!』

「あぁ。今日はいつもより少ないからな。夕方には終わるだろう。」

『じゃあ…』

「ククッ……勿論お前と遊んでやれるぞ?」


魔王が答えると紫耀は今日一番の笑顔になった。


昼食は、魔王の仕事が忙しいと一緒に食べられない。

最近は魔王が忙しい事が多く、一緒に食事、ましてや遊んでもらう事もなかなか出来なかったのだ。


魔王も息子とのふれあいという癒しにやっとありつけて穏やかな笑みを浮かべている。


さて、昼食のメニューだが。

魔王が食べる物…と言ったら何が浮かぶだろう。

少なくとも、今彼らが食べている物は浮かんでこないと思う。


紫耀と魔王の昼食………今日は〝ふわとろオムライス〝だ。


何故オムライスなのか。これは魔王達の紫耀へ対する配慮(子供扱い)が理由だ。


魔王が一人、あるいは四天王等のメンバーと食べる時は、分厚いステーキだとか酒蒸し料理だとかが入った、やたらと長いフルコースメニューが出る。

間違ってもオムライスは出ない。


しかし、紫耀(子供)が加わるとなると話は別だ。

子供に分厚いステーキが噛みきれるか?

酒蒸しで気持ち悪くなったりしないか?

そもそもフルコース食べられるのか?

大人達は心配した。


その結果、紫耀と食べる時は子供向けのメニューにする事が決定した。


「別に食べる物が違うメニューでも良くない?」と思った方、いると思う。

しかし、幼児視点だと親と一緒に食べているのに、メニューが違うというのは寂しいものだ。

無論、これには幼児によって個人差があるだろう。


しかし過保護となった大人達は、「寂しい思いはさせたくない」という意思で子供向けメニューを食べる。


魔王城の料理人達の腕が良いからどれも美味しい。

美味しければ良いじゃない。


閑話休題


ふわとろオムライスだが、ケチャップがまだかかっていない。

オムライスの皿の横に、ケチャップがドンと置かれている。

「自分の好きな絵を描いてね」という気持ちが感じられる配慮だ。


紫耀はケチャップで羊の絵を描いた。

セルブリムから貰った羊のぬいぐるみのつもりらしいが、だいぶぐにゃぐにゃしている。

「はいここ可愛いポイントー!!」とクローシスがまた心の中で荒ぶった。


『父上は何描いたの?』

「………猫だ。」

「んっふ…」

「クローシス」

「何でもありませ…ふっくくく」


クローシスが笑ってしまうのも無理はない。

魔王の描いた猫はどう見ても化け物だったからだ。

魔王に絵の才能はないようだ。


紫耀は『こういう猫もいるんだなぁ』と理解した。


アグリオン・ルツ・ファーデリアス画伯(笑)


親と食べる物が違うと寂しい云々は作者の幼児時代を思い返しての事です。

作者は小さい頃、ファミレスとかでお子さまランチ食べてる時、何とも言えない寂しさみたいなものを感じていました。

まぁお子さまランチは大好きだったので、いつもお子さまランチ頼んでましたけどね。

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