箱庭ダンジョンと陰陽師
鬼童丸と一反木綿を交えて軽い朝食を終えると、クローシスがテーブルの上にタブレットの様な黒い水晶板を置いた。
『なに?』
「陛下からの贈り物です。〝箱庭ダンジョン〝というものですよ。」
『箱庭ダンジョン…』
「秘密基地の様なものです。この〝箱庭タブレット〝を使って遊べます。」
箱庭ダンジョンは一言で言うなら、「ダンジョン運営ゲーム」という感じ。
しかし、秘密基地なんて可愛いものじゃない。
画面上の〝開放ボタン〝のタップ一つでこの世界の何処かに出現してしまうやべぇ代物だ。
出現の際に人や建物を巻き込まないのは幸いだが。
人間側の見識として、ダンジョンの出現は以下の通り。
無害か難易度が低い、そして地上のスペースをあまりとらないようなダンジョンだったら、街中に出現してもセーフ。
だが難易度が高い、危険、地上のスペースを大分とるようなダンジョンが街中に出現すると大騒ぎになる。
スペースをとるが、難易度が低かったり、無害ならば街の運営に支障が出る事は少ない。魔物がいなければ子供の遊び場になる事もある。
難易度が高かったり、出てくる魔物が強い等の危険があると、街を捨てなければならなくなる。
この場合、魔物がダンジョンの外に〝絶対〝出ないと分かれば、ダンジョンで稼ぐ者向けの施設運営のために人が来て、少しずつ元の街に回復する事もあるが、街の回復には時間がかかる。
よほど大きな街でなければ基本的に捨てる。
魔族側の見識は大分違う。
街中にダンジョンが出現しても、「あ~箱庭ダンジョンか~」とあまり気にしない。というか、箱庭ダンジョンを出現させるのに魔王の許可が必要なので、許可が出た者とダンジョンの事が新聞や掲示板、回覧板等で事前に知らされる。
ダンジョンから魔物が出てきても、ダンジョン付近に戦える者が引っ越して、ローテーションを組み対処する。
人間側と魔族側の違いは戦える者の強さと数。
人間側は数もレベルもそう高くない。
魔族側は戦えるタイプが多いし、レベルやスキルも強い者が多い。
だいたい寿命の問題。
人間側は亜人のエルフしか長寿な種族がいない。
魔族側は獣人以外は多少差はあるが皆長寿。
人間側が獣人を差別したり虐げたりせず、人間側に獣人が付いていればもう少し戦力差は小さかった。
今となってはたらればの話である。
閑話休題
クローシスから箱庭タブレットの操作方法を教わった紫耀は『どんなダンジョンを創ろうかな♪』とワクワクしていた。
クローシス達は微笑ましげに紫耀を眺めていた。
長々と説明しましたが
箱庭タブレット=ゲーム機
箱庭ダンジョン=ゲームアプリ(現実に反映出来る)
人間側「ダンジョンやべぇ!逃げろ!」
魔族側「なんだ、ただのダンジョンか」
↑こんな感じです




