4話 盗賊殲滅その1
「ふわぁ〜」
スケルトンの力に気づいて1ヶ月程が経った
今日も日課の王達の墓に水をかける、そして少しボーッとしていると丘の下の異変に気が付く
丘の下の村から煙が出ていたのだ
エイコツは少し考え村の元に飛び降りた
崖から飛び降りるなど人間自体にしていたらエイコツでも骨が折れていただろう、しかし今のエイコツはスネと太ももがパワフルボア……つまり魔物程の強度があるエイコツは無事に着地した
森に降りてすぐにエイコツは走る
そして少し走った所に首を裂かれ黒いフード付きのサーコートを着た魔術師を見つけた
「遅れてすまない、だがこれは貰っておくぞ貴公の装備無駄にはしない」
エイコツはそう呟き、祈りを捧げサーコートを取り鎧の上に羽織ってから村の元へ走る速度を上げた
『これ以上の犠牲は出さない。』そう誓ったように
村に近づく程に人を木に吊りあげた悪趣味なアーチが増えていくその度にエイコツの走る速度が上がる
走った末に辿り着いたのが崖の上から見えたであろう小さな村であった
しかしその村は昨日までの長閑な様子ではなく家は燃え爛れ叫び声が尽きず盗賊共が練り歩く異様な光景であった。
エイコツは家の窓から中に入り中に敵が居ないことを確認してから思考する
「奴らがここに来たのは何の為だ?このような村に何かがあるとは思えん……いやこれを考えるのは後にしよう人命救助が優先だ、だが1つの村に攻める、これは騎士団への宣戦布告、質で勝つことは不可能だと盗賊共はわかるであろう、ならば量が異常な程多いのか?だがそれなら食料もその分増えるはず……まさかパワフルボアが少なくなった原因はこれか!?」
量が多い……ならば各個撃破か範囲攻撃を駆使して戦うしかあるまいな
(屋上に敵がいるか確認するか下に行き各個撃破しようとすれば射手に発見されるかもしれん)
射手1「あ〜クソっ暇だなぁ」
射手2「いくらなんでも弓を射抜るやつが少ないからって交代無しでここに居ねぇといけないなんて糞だぜ宝も女も全部地上の奴らに取られちまう」
(2人か……2人なら声も出されずに殺れるな)
妖術『燃狼』
エイコツがそう唱えた瞬間、エイコツの手から狼を象った炎が現れる
そして射手の2人組が燃え尽きたのであった
「弓が手に入らないのは惜しいが同時に殺れてなおかつあまり派手でない技はこれぐらいだからな」
「他の家の屋上には射手は居ないな」
それと同時にこの村が5つの家が巨大な焚き火を囲ったような存在している事を知る、そして5つの家とは離れ少し大きな村長の家と思われる物に
人質が運ばれていることを知る
「今の住人で最後みたいだな慌てた様子もなく家を探り始めた、これなら人数が1番集まっている広場をすぐに片付けられそうだ」
妖術『天照 ー鬼炎ー』
エイコツはそう呟くと家から飛び降り広場方面から距離をとる
30秒程経つとちょうど村の巨大な焚き火の上に太陽が来た
しかし太陽は東にもう一つほど見える
盗賊が広場中心に集まり話し合っている
どんどんともう1つ目の太陽が大きくなっているからだ、とある盗賊が気付く
『太陽が大きくなっているのではないどんどんと太陽が近づいているのだと』
盗賊共が広場から離れようとするが全てが遅すぎた
太陽が地面に触れると同時に巨大な火柱が立ち上り焚き火と盗賊達が消え去ったのであった