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最重要NPC

これからこの欄に色々な設定を書いていくことにします。


クラスの種類


兵士ソルジャー

弓手アーチャー

錬金術者アルケミスト

暗殺者アサシン

魔物師ビーストテイマー

魔法使い(魔術師、魔導師、精霊師)

特異者ユニーチャー

街をでて約300m付近、誰もいない木の茂みの中に入った。

ここを選んだのは近くに川があり、血も流せるいい場所と考えたからだ。


日は高いとは言えないが、回りが普通に見えるほどには出ている。さっき買った傷薬を使うのには十分な明るさだ。


運んでいるときでは分からなかったが、落ち着いた今、よく見ると手や足に無数のアザがあった。


俺は手に薬をつけ、ゆっくりと塗っていく。


「あ……痛…」


見た目相応に幼く、可愛らしい声に聞こえた。


「すまないが我慢してくれ」


この辛い作業は、約30分は続いた。



痛いといいながらもこの娘は耐えてくれた事により、一応傷薬は塗り終わった。

しかし、問題は食事だ。この世界に来てから不思議と腹が減らない。

腹が減らないのは俺だけであってこの子が減らないとは限らない。

不安で仕方なかった。


「あのねぇ、君。傷薬塗るだけじゃ体力は回復しないでしょ?ちゃんと回復薬も飲ませてあげないと」


「誰だ!?」


見回すが誰もいない。熱探知をしても誰も引っ掛からなかった。

だが声は道をまたいだ先の川の方から聞こえてくる。

俺は川の方に歩きながら言う。


「川の中か?」


「正解。なんで分かったの?」


「ただの勘だ。魔法があるいうことは意味不明な事でも魔法と割り切って理解しないといけない」


「なるほどね」


そう言うと水が一気に滝を逆再生したかのごとく舞い上がり、ゆっくりと地面に少女が降り立った。


赤色の目に赤色の髪、非常にアンバランスな水色をメインにところどころ黄緑のラインが入ったの全身ローブに、如何いかにも魔法使いっぽいローブと同じカラーの三角の帽子。右耳にピアスがあった。

背中には杖の様ものが見える。

年はよく分からないが年上にも年下にも見える。が、さほど俺と変わらないだろう。


「あの女の子をせてくれる?悪いことはしないから」


「回復薬がどうのこうのと言っていたから、悪いやつじゃないとは思っているが」


「信用してくれてありがと。私は魔術師のカナロア。」


そう言うと少女の所へ歩いて行った。

そのすれ違った時に俺の名を告げる。


「ライムだ」


「じゃあよろしくね、ライム」


カナロアは少女の目の前に座り、少し苦笑して顔で俺に言う。


「奴隷を助ける人は始めてみたわ……でも、そう言って簡単に見殺しにしてはいけないものね」


「理解があって助かる」


俺は少女と座って傷をているカナロアの方に足を運んだ。

するとカナロアは座ったまま背中にある杖を両手に持ち、身体の前の地面に杖を突き立てた。


「……癒しを……この娘に……」


すると少女は小さな竜巻の様な水の膜に包まれ、次第にその膜が小さくなっていき、消えた暁には少女の傷が綺麗に消えた。

だが、元々あったアザまでは消えなかった。


「これで全ステータスは回復したけど、これだけの傷よ。まだ直ぐには動けないわね」


「回復してくれた事に感謝する。あと、すまないが教えてほしいことが2つあるんだが、いいか?」


「いいわよ。でも私から言わせて。貴方何者?」


治癒魔法の時の真剣顔から急に冷めた、何かさとったかの様な笑みに変わった。


「ただの人間だ」「嘘」


言い終わらないうちに返事がくる。


「ライム、貴方魔法を知らないじゃない。この世界にいて魔法を知らない人はいないもの」


「そういう事か。なら俺は異世界人とでも言っておこう」


「……なるほど。まぁ大体予想はついていたわ。実際ライムみたいな子を見たことがあるしね」


この発言で冷たい笑みから最初に会った時の笑顔になった。


「この世界のことでいくつか質問だ。固有能力と固有魔法が分からない。教えてくれ」


「そのままの意味よ。基本一人に一つどちらも持ってるわ。自分しか持ってない技能や特殊能力、自分にしか出来ない魔法が固有能力と固有魔法よ」


カナロアはより詳しく、固有能力は主に身体に関わる能力、固有魔法は主に武器を用いた攻撃や防御、その他様々な魔法があると教えてくれた。


「その情報は確認できないのか?固有能力は知っているが、自分の固有魔法が分からない」


「え?開き方……知らないの?」


「開き方?なんだ、それは」


「これは装備品を身に着けた時に自然と頭に入る情報だから……。私の場合はこの耳のピアスに触れるとウィンドウが開くんだけど……」


(耳……。そういえばまだ耳に通信機は……まだ付いているのか)


俺は通信機がある事を確認すると、生きていた時に腐るほど押したマップを開くスイッチを押した。


すると驚く事に世界地図までとはいかないが、周囲30mほどのミニマップが目の前の空気上に浮かび上がる。


前までは壁がないと機能しないのが不便だったが、これが解消され便利になった。


「おお……。………ん?まだ続きが……?」


マップの右に矢印が見えたのでそこをタッチした。

すると望んでいたものがそこには書いてあった。


簡易的な人体のイラストの横に体力、守備、俊敏、魔力適性の有無うむのステータスが書かれており、右下に固有能力、魔法、等が書かれていた。


___だが


「おい、俺の固有魔法の欄には何も書かれていないぞ」


「それは変よ。ちょっと見せて…………って何このステータス!全部MAXまで間近じゃない!しかも本当に固有魔法書いてないし……」


「無いのなら仕方ない。逆に自分にだけ無いと考えるなら俺はもともと特別なオンリーワンという事だ」


「ポジティブすぎるでしょ!……でも無いっていうのも不思議よね…」


カナロアが頭を抱えているなか、俺はスイッチを押しステータス画面を閉じた。


「考え中のところ悪いんだが、ラストの質問だ。禁忌の聖書を全て教えてくれ」


「ウ~ン……。え?あぁ、聖書の事ね。これは言うより頭に叩き込んだほうが早いかな」


杖を持ち、それを俺の頭に乗せてきた。


「なんの真似だ?」


「頭にインプットしたほうが喋るより楽で完璧に覚えられるでしょ?」


「これでもまだ一応警戒しているんだぞ。やるなら少し待ってくれ。やることがある」


俺は目をカナロアの目に合わせ5秒間見つめ、


「本当にインプットするだけだな?」


「本当だってば!」


(心拍数、変化無し。熱は……異常無し……か)


嘘をつくと人は視線を逸らしやすくなったり頻繁にまばたきをする傾向にある。さらに呼吸が早くなる、心臓の鼓動が早くなるというのも嘘をついている可能性が高い。

俺は心臓に熱探知をしたところ、熱で鼓動が分かるため早くなっている場合、知ることができる。


これをオールクリアした上で、俺の決断は決まった。


「分かった。信じてやろう」


「治癒魔法の時は信じてたのに今は信用しないってどうかしてるわね。まぁいいわ。それじゃ……目をつぶって。『偽複製ファルシュ』」


頭の中に水の様に流れ込んでくる感覚。

一言一句溢さずに頭に浸透していくのが分かる。


「どう?気分は悪くない?」


「大丈夫だ。まぁだいたいこの世界を理解した」


「そう、それなら良かった。じゃあ私行くね、もう行かないといけないし」


カナロアは立ち上がり、川の方へと向いた。


「突然だな。まぁ短い時間だったが助かった。感謝する」


「別に暇だったしそんな言葉は要らないわよ。じゃあまた会ったらよろしくね」


「ああ、じゃあな」


カナロアはまた川の水へと沈んでいった。


(さて、これからどうするか……)


太陽が沈んできて辺りはもう暗くなってきている。

外で寝るのは慣れているが、その時は決まって火は必ずあった。

だが今あるのは二丁の銃だけ。この銃を使えば火がつかない事もないだろうが音が大きく、誰かが来たら面倒なため諦めた。


(……このまま朝を迎えるか)


俺は誰も来てもいいように、少女を見守った。





####





(………瞼の外が……明るいな……朝か……。…………………ん?)


俺は次第に寝てしまっていたらしい。見慣れぬ世界に来て疲れたのだろう。だが問題はそこじゃない。


頬に何かに引っ張られている様な感覚があった。

この感触は………間違いなく人間。



「誰……だ?」


「………?」


俺は飛び起き、銃を構えた____が、直ぐに下ろした。


灰色に近い髪の長髪に、体に無数あるアザ。クリーム色の汚れた薄い服に足枷が付いている少女。



そこにいたのは、助けた少女だった。



少女は正座で俺の頬を触っていたらしい。


「やっと起きたか。名前は?」


「……名前……番号の事……ですか?……7番です」


(この子……名前が無いのか……?……俺と同じだな)


「名前か……。俺が付けていいのなら、付けてもいいが……。嫌だろ?」


少女は首をに横に振った。

半分ジョークのつもりだったが、どうやら名付けていいらしい。

簡単に言おう、困った。


(だが7番は流石に酷いな。俺の名付けにセンスは無いと……思う)


俺にちゃんとした意味の名前、カッコいい、可愛い名前は付けられないが、7番より自分の考えた方がマシだと思い名前を考えた。


すると何故かパッと頭に名前が浮かんできた。本当に何故その名前が出てきたのかは分からないが、これが一番しっくりきた。


「……なら」


俺は息を吸い込んで、よく聞こえる様に少し大きな声で言った。


「ルーシャ……。これでどうだ」


「……るー……しゃ……?」


「名前に意味など要らない。問題は名付けられる人を大切に思って付けたかどうかだ」


俺の名前に意味など無い。さらにライムという名前もコードネームであって正確な名前ではない。付けた理由も分かりやすいからという理由で愛情の一欠かけけらも無いという否定づくしだ。


この娘にはこれからでもいいから俺みたいな悲惨な人生をおくってもらいたくない。この世界の普通と呼べる生活をしてほしい。

そう願って名づけた。


「……分かりました。それと、助けてくださってありがとうございました。では、私はこれで」


ルーシャは重そうに足をあげ、ここから出ていこうとした。


「どこに行くんだ?」


「……?あの街に……。ご主人様が待ってます」


俺はその言葉に耳を疑った。


(ここまできて、まだ戻ろうとするのか……?)


「なら何故起きてから直ぐに行かなかった?」


「足の痛みが……まだ痛かったから……です」


「だが、俺はお前をあの街、アルマの下に戻らせたくない」


「でもご主人が待っていられ……」「あんな奴主人と呼べる様な奴じゃない!」


俺は珍しく感情的になった。いつぶりだろう、こんなに胸が熱くなる事を言ったのは。


「お前はもう奴隷じゃない。自由に生きるんだ。ルーシャ」


「……自由にと言われましても。……く場所がありません」


ルーシャは目を伏せた。


(……なら!)


「なら俺に付いてこい。これからの主人は俺だ」


「……え?」


伏せた目が俺の方を向く。

俺が銃を持ち、こう告げるのとタイミングは同じだった。


「動くな」


そして、二つの銃声が鳴った____。




弾丸はルーシャの足枷に直撃し、両足から綺麗に外れ落ちる。


ルーシャは信じられない様な顔をして俺の顔を見た。


「これでお前を縛るものは何もない。さぁ、どうする」


俺は手をルーシャに向かって差し伸べた。


「俺と行くか、元の主人に傷つけられに行くかを」


「……私に……選ぶ権利なんてありません」


向けられた顔がまた下に伏せた。


(そうだ。この娘は奴隷だったんだ。だから選ぶ権利も自分には無いと言っているのか……!)


「なら質問を変える。俺に付いてこい。拒否権は無い」


奴隷というものを甘く見すぎていた。奴隷に人権など無く、ルーシャは今まで物扱いとして生きてきたのだろう。


当然選ぶ事もなく、言われるがまま。そんな娘に選ばせる事なんて最初から無理だったんだ。


「なら行くぞ。次の街に」


俺はルーシャを抱っこした。


「……え?」


「元の主人みたいに悪いことはしない。むしろお前を第一に考えて動く」


ルーシャは少し考えた様子で、目をつぶった。

俺としてはここで拒否されると諦めるつもりでいた。



____だが。



「……分かり…ました。新しい……ご主人様」



少し微笑んだ顔で、ルーシャは言ってくれた。

初めて見せた笑顔だ。


「なら、行くぞ」


「私は自分で歩きます……。出来るだけ、迷惑は掛けたくないですから……」


「足が辛くなったら言え。今の様にしてやる」


そう言って俺はルーシャを地面に下ろした。

このまま行っても良かったのだが、敵がいつ出てくるか分からない。

抱っこしたままだと戦闘にならないからだ。


ルーシャは俺の後ろに立ち、俺が動くのを待つ。恐らくまだ警戒しているのだろう。


(人と馴れ合うのは得意じゃないが、これが俺の選んだ道だ、仕方ない。引き取り人を見つけるまでの辛抱か……)


俺たちは朝日がある方向へ向かって歩きだした。






やっとヒロインだせた←遅い。



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