23話 勝利をこの手に
昼食の後、すぐに部屋へと戻ったレントは剣の手入れをしていた。
手入れと言っても、刃抜きの剣なので欠けているところがないか等の簡単な確認だけだ。
確認が終わると剣を持ったまま決闘の行われる訓練上までやって来た。
誰もいない訓練場で1人剣を振っていた。
訓練場にはレントの剣が風を切る音だけが響いていた。
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レントが額に少し汗を滲ませ始めた頃、決闘の頃合になったのかダリオス一家並びにダリオス家の騎士達もやっって来ていた。
サーレイたちもやって来ているようだ。
ダリオス達はレントの素振りを見ていた様で、レントが素振りを止めるとすぐに話しかけてきた。
「手合わせの前にそんなに動いて大丈夫かね?」
「大丈夫だ」
「そうか。早速で悪いが、もう始めさせて貰ってもいいか?仕事が少し押していてな…」
「構わない」
「では、上がってきてくれ」
そうダリオスが騎士達に声をかけると、騎士達の中から5人が台の上に上がって来た。
「何故第一部隊全員が上がっている?」
ダリオスが怪訝な顔をしながら騎士達に聞いた。
朝レントと言い争っていた騎士が説明をした。
「サーレイ殿から対複数戦を経験させてやりたいとの申し出がありましたので…」
「サーレイ殿本当なのか?」
「本当ですよ。少しでもいい経験になればと、思いまして」
サーレイが返事をした後、レントの方を見て少し口角を上げてニタッとしたのがわかった。
これをどう乗り越える? とでも言いたげな、少し挑発も混じった様な目線をレントに向けていた。
「レント君、君は大丈夫かね?」
「ああ、いつでも」
「では、ルールを説明する。まず、勝敗は降参、場外、気絶の三つで決める。二つ目は武器はいずれも刃抜きをした物を使うこと。三つ目は魔法の一切の使用禁止。これは魔法を使った場合怪我が酷くなると予想されるため理解頂きたい。以上だ」
ルール説明を聞き流しながらレントは敵を観察していた。
5人全員がロングソードに盾の組み合わせだった。
装備はしっかりしているが、鎧は付けていなかった。
1番先頭に立っている男が1番体が大きく、威圧的で強そうに見える。朝突っかかって来たのもこの男だった。
他は似たりよったりで殆ど差が無かった。
強そうな者を残して、ほかから潰していこう。
そして、必ず勝利をこの手に。
レントが頭の中を整理し終えた時、丁度決闘がはじまった。
「それでは…… 手合わせ、開始!!」
最初に動き始めたのは騎士達の方だった。
大男を残し、他の4人がレントを包囲するように突っ込んでいった。
それに対しレントは動かずに剣を左中段にかまえたまま動かなかった。
それを騎士達は、レントが抵抗を諦めたと取ったのかニヤニヤしながらスピードを上げていき、レントの正面に位置どった騎士が剣を大振りに振りかぶった。
が、大振りしたことによって出来たスキにレントが騎士の剣を持った腕の付け根を自分の剣で突いた事により、その剣が振り下ろされることはなかった。
「ウウ゛ッ」
カランっ、という音と共に剣を騎士が取り落としたし、唸りながら肩を押さえながらうずくまっていた。
1人ヤラれると他の全員の動きが止まった。
また出来た残りの騎士達のスキをレントは見逃さず右にいた騎士に突きを放った体勢から手首を返し最短距離を攻める。
右側にいた騎士は剣を振りかぶった状態で動きが止まっており、防御ががら空きだった右脇腹レントの剣が入る。
骨の折れる嫌な音と共に騎士は倒れ込んだ。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
切り込んだ勢いを殺すことなく、回転する要領で残りの2人も薙ぎ払った。
しかしそれだけでは倒すことは出来ずに、起き上がろうとしているのを見てレントは追撃を仕掛ける。
膝立ちまで先に起き上がっていた後方にいた騎士をよくテレビで見るような感じに手刀を首筋に入れて気絶させた。
「ウッ」
最後の1人も手刀で気絶させた。
残るは最も強そうな大男だった。
また間を空けてしまいすみません。
これから不定期投稿になります。
出来るだけ話を進めれたらな、と思っています。




