19話 ファイヤとフレイム
「何かお気に召す物がございましたか?」
「もう少し見せてくれないか?」
「かしこまりました。御用がおありでしたらお声かけください」
「分かった」
受付の人は、店の奥に戻って言った。
「それじゃ、探すとするか…」
「レントさんは中級と初級どちらを先に見られますか?」
「そうだな… まずは初級の方から見ようと思う」
「そうですか。では、私は中級の良さそうなのに目星を付けておきますね!」
エリスティアはなんだが楽しそうに提案してきた。
「あぁ、任せる」
「はい!」
さっきのまでの暗い雰囲気と打って変わってとても明るい感じだった。
そして2人は、会話をせずにカタログに見入っていった。
15分程たっただろうか、唐突に蓮人がカタログを閉じた。
それに気がついたエリスティアが声をかけた。
「どうかなさいましたか?」
「カタログに目を通し終えただけだ。そっちはどうだ?」
「こちらも大体見終わりました。何か気になるものはございましたか?」
「2、3個程な…」
「どのようなものですか? わかる範囲でなら書いてあることよりも詳しくご説明出来ますが…」
「そうか? それなら”火よ(イヤ)”と火の(ヤボ)球”、”火の(イヤ)竜巻”について教えてくれ」
「まずはファイヤからですが、ファイヤはちょっとした火種をおコス程度の火を指先に灯すだけの魔法です。魔力消費も少なく、比較的早く習得することが出来ます。 ファイヤボルは、拳サイズの火の塊を飛ばす魔法です。そこまで飛ばすスピードは速くないです。魔力消費は飛ばした距離によって変わります。最後にファイヤストームは1m程度の高さの火の竜巻を作るものです。これは割と魔力を使います。 ここまで言ってなんですがこの3つは、戦闘には使えません」
「どう言う事だ?」
「初級の魔法はほとんどが、魔法の資質があるかどうか調べるための物が多いので、すぐ覚えられてなおかつその後の鍛錬で活用できるものが殆どなのです。なので、攻撃力は全く無いと考えた方がいいと思います」
「なるほどな。 それなら先に行っておいて欲しかっなのだが…」
「言ったら私がお役に立てないじゃありませんか…」
「何か言ったか?」
「いえ! 何でもありません!」
小声で言ったことが蓮人に聞かれたかと、焦って否定をするエリスティアは顔が真っ赤になっているのが自分でもわかり顔をうつ向けさせながら答えた。
「それならいいのだが。 中級の方で何かいい感じのものはあったか?」
「はい!それなら、先ほどレントさんが聞かられ三つの魔法の上位版がいいと思います」
「ファイヤとファイヤボール、ファイヤストームの上位版?」
「ええ、そうです。”炎よ(イム)”と”炎の(イム)球”、”炎の(イム)竜巻”です」
「ファイヤじゃないんだな…」
「そうですね、ファイヤが付くのは大体が初級のものばかりですから」
「そうなのか。 上位版という事だがどう変わるのだ?」
「フレイムは、炎を手の先から放出する魔法です。射程距離は短いですが、広範囲を攻撃できます。次にフレイムボールですが、これは、頭サイズの炎の塊を高速で飛ばします。魔力の使い方で曲がったり出来るそうです。私はまだ出来ませんが… 最後にフレイムストームは、家1軒程を飲み込むサイズの炎の竜巻を作る魔法です。これは、魔力をかなり消費します。その代わり、かなり強力な魔法です。以上が説明ですかね… 何か質問ありますか?」
「一ついいか?」
「どうぞ」
「ファイヤとフレイムでは、どう違うんだ?」
「それはズバリッ…… 温度の差です!」
「それだけか?」
「はい! それだけです!」
「……」
間をとった割にはしょうもない理由でエリスティアの説明会が終わった。
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