9話 旅のお決まりは何かって?そんなの盗賊討伐に決まってるだろ!!
あれから10分ほどたった頃に御者に出発を知らされ馬車に乗り込んだ。
「俺はパーティー紅蓮の炎のリダーのAランク冒険者のロイドだ!大剣を持ったのがドライル、杖を持ってるのがバーリナ、この3人パーティーでこの馬車の護衛をしてやる!ありがたく思え! 」
と、乗り込んだ者全員に聞こえるように大きな声で中年のオヤジが言った。
それに対し周りの少年少女は、羨望の目を中年オヤジに向けている。
なぜそんなに羨望の目を向けるのかと蓮人が思っていたら近くにいた少年達の話し声が聞こえてきた。
「聞いたか今の、あの人Cランク何だってよ!初めてAランクの人なんて見たぜ!」
「あぁ、俺も初めてだ、いつもはC、Bランクばっかりしかいないもんな。Aランクなんて国に2,3人ぐらいしかいないんだろ、なんか幸先いいな!」
「そうだな!なんやかんやで迷宮踏破できちゃうかもな!ハハハ!」
「そうなったら本当にいいけどな!ハハハ!」
そんな感じでこのオヤジは凄いらしい、ということが分かった。
が、蓮人はそんなすごい人がこんな馬車の護衛なんかするだろうか、と疑問に思うのだった。
護衛は馬車の周りを囲むように3人が馬に乗って進む感じになっていた。
御者の人の話だと迷宮都市までは3日かかるそうだ。
迷宮都市と王都の間の町が3つあり1日に1町間だけ移動するそうだ
道中は最近は盗賊もあまり見られていないそうで安全な旅になるだろうとの事だった。
普通安全と言われると安心する所なのだろうが少年達はAランクの戦いはお預けかぁ〜、と残念がっていた。
そんなこんなで出発して1日目は御者の言うとおり何も起きることはなく、1つ目の町サヘルに到着した。
サヘルでは自分で宿を取り朝にまた馬車を降りた場所に来てくれと言われたので蓮人は適当な宿を取りそこで食事を取り休んだ。
次の日も同じ御者の馬車に乗りサヘルを出発した。
2日目も何事もなく次の町につくものと思っていたら異世界人転生、転移もののお決まりが起こった。
「ぐぁ!」
小さな森の近くを通った時のことだ。
紅蓮の炎のパーティーメンバーのドライルの腕に突然弓が突き刺さった。
これが蓮人の平和な旅の終わりだった。
「バーリナ!ドライルを治せ!」
「分かっている!敵は10時の方向に数は10!1人1人はそこまで強くないと思う!」
「分かった!ちっ!10は多いだろ!ドライル、傷が治ったら追いかけてこい。バーリナ、お前は馬車に残り周りの警戒に当たれ馬車にいる者て対人戦の経験のある者も俺に続いてくれ!」
そう言う頃には剣を持った者達が森から出て来ていた。ロイドは自分の剣を抜いて駆け出して行った。
ドライルも傷が治りロイドを追いかけようとし始めた頃何人かがロイドを追いかけて行った。
肉眼で見える範囲で人同士の殺し合いが起こっている。
数は敵を2人ロイドが倒したが、敵はまだ2倍の数いるのだ。
ロイドとドライルに3人ずつ助けに入った2人に1人ずつ、数で劣っていてもこちらが押し気味であと一息で勝てるという感じだった。
馬車にいる者達は戦いを見て、凄い!とか言ってまるで劇でも見ているかのように一切危機感を持たず楽観視して見ていた。
しかし、バーリナが…
「う、嘘だろ? ロイド!急いで戻ってきてくれ!逆方向から盗賊の援軍だ!」
馬車の中に喧騒が走る。
今でも勝てそうで勝てていない状況なのにこれに敵の援軍が来たら護衛達はやられてしまう。
そしてその後は盗賊達の思うままにされてしまう。
それだけは嫌だと、馬車にいた者達は泣き出す者も出始めた頃、蓮人は立ち上がり、馬車を降り盗賊の援軍のいる方に進み出した。
「君!危ないから馬車に戻れ!」
「誰に向かってそのような口を聞いている?」
「はぁ!? こんな時に何を言ってる!早く馬車に戻れ!」
「はぁ、これだから弱者は… まぁいい、ここの敵は我に任せてもらおう。全てを深淵の炎でやき尽くしてやろう!!」
そう言い切ると蓮人は延昌を始める。
盗賊たちを焼き深淵へと導く黒き炎を顕現させるために。
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