プロローグ
僕は米沢 雄一。
今日から高校一年で少し胸が高まっている。
だけど、散歩をする時に見かけるランニングしてる人たちを見ると、むなしい気持ちにもなってしまう。
軽く僕の自己紹介をしよう。
僕の家族は普通の家庭だった。僕は妹と父、母の四人暮らしだ。小さい頃から、僕は走ることが好きだった。
学校の持久走で一位をとるのは当たり前。
毎朝学校まで走って行ってた位だ。
中学に入ってから、僕の走りは急激に伸びた。
長距離を専門にやっていたけど、周りの人たちとは相手にならなかった。僕はそのくらい早かった。
そこまではよかった。
三年で俺はキャプテンだった。
俺らの実力は県内でトップクラス、他のやつらも充分な実力を兼ね備えている。
だからこそ、余裕で県の駅伝大会を勝ち抜いて来た。
「俺ら最後の戦い、絶対勝つぞ!」
「「「「「「おおー!!」」」」」」
これが全国の舞台だ。
大会が始まる。一区は俺に任された。
一区には各校のエースが出ている。
この区間を俺は走っていた。
しかしだ。俺はこの区間を走りきることはなかった。
...原因はアキレス腱断裂だった。このあと、俺はすぐに手術を受けた。みんなは俺が走れなくなったことを責めたりしなかった。
「母さん、話があるんだけど。」
「何、どこか痛むの?」
「そうじゃなくて...陸上やめようと思うんだ。」
「全国大会に出られる程に強いのに!?」
「もう限界だよ。みんなは責めたりしなかったけど...たぶん心の中ではひどく思ってるかもしれない。」
「雄一...」
それで、僕は走ることから離れた。
今日から僕は高校一年である。
ちなみに、親は単身赴任で妹と二人暮らしである。
学校は県内の普通科。妹は公立の中学二年。
「それじゃ、鍵はしっかり持っとけよ。」
「うん、任しといて。」
今日から入学式、僕と妹はそれぞれ出掛けた。