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第184話 南への道
夜明け前。
南門の前には四人の影があった。
ヴァルク。
レナ。
カイル。
そしてエレノア。
門番が門を開ける。
軋む音が朝の空気に広がる。
レナが言う。
「遠足じゃないぞ」
カイルが苦笑する。
「分かっています」
エレノアは南を見る。
空はまだ暗い。
でも、東の空が少しだけ白い。
ヴァルクが歩き出す。
「行く」
四人は街を出る。
畑を越え、
草原を越え、
森へ入る。
昨日戦った場所を通る。
地面にはまだ、戦闘の跡が残っていた。
レナが言う。
「ここで暴れたんだよな」
ラグナが笑う。
(もっと暴れてもよかった)
ネファルが冷静に言う。
(目的は戦闘ではない)
森の奥へ進む。
昨日見つけた装置。
ヴァルクが足を止める。
装置はまだ動いている。
地脈が流れている。
カイルが言う。
「止まっていません」
ヴァルクが言う。
「予定通りだ」
レナが槍を回す。
「じゃあ先へ行こう」
エレノアは南を見る。
地脈の流れが、はっきり分かる。
一本の線になっている。
その先に何かがある。
ネファルが言う。
(近づいている)
ヴェルナシアが静かに言う。
(嵐の根)
エレノアは歩き出す。
南へ。




