第3章：雪山の避難所
『吹雪と希望の物語』
読者の皆様へ
この章では、アナスタシア、ミッキー、アンドレイの三人が雪山での過酷な冒険に挑む姿を描いています。吹雪の中での彼らの決意と不安、そして互いを思いやる心が交錯する物語です。時には立ち止まることも、前に進むための大切な選択となるのかもしれません。
第3章
雪はひどく降っていた。しかし、3人は再び山を進むことを決心していた。アナスタシアは地図を手に持ち、目の前の雪に覆われた森を見つめていた。ジャケットの帽子が風と雪で揺れていた。
「ここには『アルコル』がいるわ」アナスタシアは人差し指で道を指した。
「あれは何だ？」ミッキーは腕を顔に当てながら進み、空いた手で口と喉をマフラーで覆った。
「森の巨大な虫よ」アナスタシアは肩越しに振り返ってそれらを見た。「伝説によると、月々の近くにいるらしいわ」
「守護神みたいなもの？」アンドレイは雪の上を大きな足跡を残しながら、木の幹につかまりながら言った。
しばらくして、彼らの目の前で木が倒れそうになったので、3人は押しつぶされないように数歩後退した。
「くそっ！」ミッキーは幹に近づき、そっと押した。「これじゃ…進めないのか、それとも凍死するしかないのか？
アナスタシアは数秒間立ち尽くした。
「おそらく…引き返さなければならないでしょう！」アナスタシアは地図を何度も見た。
「引き返す？なぜ？」アンドレイは眉をひそめた。
- わからない。雪が降り続いているから？滑ったり凍りついたりするから？それとも道が塞がれているから？- 少女は目を閉じ、アンドレイを見た。
- わかった、わかった！- 男は周囲を見回した。- 俺の力なら…何だってできる。
アンドレイは幹に近づき、その下に手を差し込み、黄色い手袋で覆われた巨大な手でそれを持ち上げようとした。
彼は口と目を強く閉じ、木が地面から離れるのを見た。その瞬間、ある思い出が浮かんだ。
彼は、父親の農場、木々の並ぶ小道の前を歩いていたときのことを思い出した。道は幹で塞がれていた。
「アンドレイ！」父親の声が聞こえた。「その木をどけてくれ。
もちろん、パパ！」17歳のアンドレイはズボンのサスペンダーを直し、袖をまくり上げた。
父親と二人で幹を持ち上げ始めた。
そのあと、手がひどく傷つき、ざらざらになっていたことを思い出したが、それは自分の人間の手だった。
数秒後、アンドレイは雪に覆われた道に落ちていた丸太を、まるでただの枝のように遠くへ投げ飛ばした。その出来事を思い出しながら、男は数秒間立ち尽くし、手袋をはめた自分の手を見た。
「どうしたの？」ミッキーは、立ち尽くしている彼を見て、彼のそばに近づいた。「大丈夫？
アンドレイは目と頭を動かした。
「え…うん…よし！進む？アンドレイは手を振り、道の方を指さした。
「戻ろう！と私は主張する！」アナスタシアは反対側を指差し、金色の髪に積もった雪を振り払った。凍りつきたくないし、イリーナを嵐の中で馬鹿な死んで孤児にしたくない！
凍死するかもしれないよ！」ミッキーは、飛行帽のゴーグルを直しながら言った。それを直そうとする指が震えていた。「でも、技術的には、私の力なら...
その瞬間、ミッキーはくしゃみをした。そして、そのくしゃみの後、腕で口を押さえながら、さらに何度かくしゃみをした。
アナスタシアは、まだ雪が降り続く中、ミッキーの腕をつかんで、ほとんど引きずりながら、眉をしかめた。
「見た？見た？この子、病気になりそう！」 少女は彼を引き続けました。「私の言うことを聞く気はないの？ないの？もちろんないわ！アナスタシアの言うことを聞く人は誰もいないの！」
ミッキーは、その光景を見つめているアンドレイに素早く目をやり、肩をすくめた。
「近くに洞窟がある。嫌でもそこに行くわ」少女は、抵抗する気のない少年の腕を引き続けた。
アナスタシアが雪の中を歩き、彼らに雪片が降りかかるのを見て、アンドレイの緑色の目が大きく見開かれるのが見えた。
「アンドレイ、近くにある枝をいくつか取って！」 アナスタシアは人差し指で指した。
男は何も言わなかった。風がますます強くなっているのを感じ、肩をすくめた。彼は数回素早く回り、身をかがめて枝を拾った。
その後、彼らは洞窟に入った。暗闇の中で見えるのは、アンドレイの目が光っているだけだった。
「じっとしていて！」アナスタシアはその場を歩き回り、声を低くした。「私が言うまで動かないで。
彼女は背中を壁に立てかけ、バッグから懐中電灯を取り出し、彼らと岩以外何もない洞窟を照らした。
「アンドレイ、枝を床に投げろ」アナスタシアは手で場所を示した。
「もちろん、船長」アンドレイは不機嫌そうに目を回し、枝を床に投げた。
アナスタシアはミッキーを放し、かがんだ。2つの岩を取り、枝でこすり合わせて小さな火花を出し、少し吹くと、炎が上がった。
「よし、座って！」アナスタシアは焚き火のそばに座り、仲間たちも同じようにした。「これが必要だ。嵐が過ぎるかどうか見てみよう」
ミッキーはもう一度くしゃみをして、腕で口を覆い、手を火に近づけた。
「いいね。手を温めたかったんだ。」少年は仲間たちを見た。「アナスタシア…君がこんなことが得意だなんて知らなかったよ。」
「父はよく、兄弟たちと私を山に連れて行ってくれたの。」少女は自分の足に抱きつき、火を見た。「でも…それは…ある時から変わったの。」
アナスタシアの言葉で、沈黙が訪れた。一瞬、彼らがなぜこの場所に来たのか、ほとんど忘れてしまった。
「小さな月…おそらく洞窟から始まるかもしれない」アナスタシアは顔を上げ、二人に向かって微笑んだ。
「あなたが言った、巨大な虫のいる場所の近く？」ミッキーはもう一度くしゃみをした。
今回は、くしゃみで口から出た唾が完全に凍りついていた。それは必ずしも寒さのせいではなかった。
「素晴らしい！こんな状態だと、病気になったら1000倍ひどい！」少年は腕を組んだ。
「行こう！家に着いたら、シナモンと生姜のハーブティーを作るよ。」アンドレイは手を上げた。「風邪に効くって聞いたんだ。」
「巨大な虫の話に戻ろう！」マッキーはハンカチを取り出し、鼻から氷の欠片を一つずつ取り除きながら鼻をかんだ。
アナスタシアは、仲間の状況を見て笑わないように口元を覆った。立ち上がり、髪につけた白いリボンを直した。そして、洞窟の真ん中にある壁に近づき、拳でそっと叩いた。
「この洞窟は空洞じゃないね。でも、伝説によると、月面着陸の入り口になるかもしれない洞窟もあるんだ…。」少女は再び彼らの前に座った。「そして…地面から出てくる巨大な虫たちは…果物を守っているんだ。
「幸い、私の力ではできないことは何もない。」アンドレイは拳を打ち合わせた。「私は、あの巨大な虫たちや、誰をも恐れない。
「それは…見てみよう。」アナスタシアは、燃える枝の木の音を聞き、壁にもたれかかった。「もっと洞窟を探索したほうがいいわ。地図に印をつけておくわ。」
アンドレイは頭を振り、深呼吸をした。
「あの小さな月を見つけられないまま、一日が過ぎていく…。」アンドレイは呟きながら、手を握り締めながらその場を離れた。
「そうだな。」ミッキーは首を振りながら言った。「また明日、あの果物を探そう。また明日、二つの国が互いに破壊し合うのを防ごう。」彼はため息をつき、声を低くして、誰にも聞こえないようにした。「そしてまた明日、姉の行方を探す手がかりを探そう。」
追伸
この章を書くにあたり、雪に覆われた山という極限状況における人間の行動を詳しく描写したいと思った。特に、アンドレイが過去を回想するシーンは、彼の性格をより深く理解するために重要だ。
また、アナスタシアのリーダーシップと仲間たちに対する優しさも、この物語の重要な要素であるため、それを反映させたいと思った。
来週火曜日の22時頃、次の章をお楽しみに！
