鳴き虫
鳴いているのは、
ツクツクボウシで、
いつのまにやら
お盆を過ぎていた。
月日が経つのは、
ほんとに早いと、
今年も口にする。
去年とおなじように。
人は変わらずに、
季節で生きている。
夏を絞りすぎても
気づかないまま。
危険な暑さが
空から降りてくる。
社会は豪雨に浸かり、
鳴けなくなった。
聴こえないかな、
涼やかなヒグラシ
夕立ち一過で、
涙が伝っていた。
よくある話を
聴いていてほしくて、
今年は帰ろうか。
浸りたい郷愁。
人は変わらずに
心で生きている。
夏を無下にしても
経済成長だ。
危険な暑さに
皆さん御自愛を。
お墓参りにさえも、
行ってないから。
鳴いてくれるんだね。
秋に向くコオロギ。
ホッとした日本人は
今夜は、早く眠るよ。