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18. 魔物との遭遇

崖を登りきった先には、さらに困難が待ち受けていた。そこには、再び魔物が潜んでいた。目の前に広がる風景は、一見穏やかで美しかったが、その中心には巨大なドラゴンが立ちふさがっていた。その姿は圧倒的で、鋭い牙と鱗、強力な翼が威圧感を放っていた。


「ここでドラゴンとは……手強い相手だな。」俺は剣を構えながら言った。


レオンも槍を握りしめた。「でも、ここで引き返すわけにはいかない。行くぞ、リュウ!」


王女殿下の部下たちも武器を構え、緊張感が一気に高まった。彼らの目の前でドラゴンが一歩前に進み、巨大な口を開いて咆哮を上げた。その声は山々に反響し、地面が震えた。


「気をつけろ!奴の火を避けるんだ!」俺は指示を飛ばし、全員が散開してポジションを取った。


ドラゴンはまず、炎のブレスを吐き出した。灼熱の炎が俺たちに向かって押し寄せたが、俺とレオンは素早く回避した。王女の部下たちも訓練された動きで攻撃を避け、反撃の準備を整えた。


「今だ、攻撃を集中しろ!」俺が叫び、全員が一斉に攻撃を開始した。俺の剣がドラゴンの鱗を叩き、レオンの槍が鋭く突き刺さった。部下たちも矢や魔法を駆使してドラゴンにダメージを与えようとした。


しかし、ドラゴンの防御は非常に固く、鱗はほとんどの攻撃を弾き返した。さらに、鋭い爪で反撃し、強力な尾で一撃を放ってきた。俺はかろうじてそれをかわし、再び攻撃の機会を伺った。


「レオン、奴の動きを止めるんだ!」俺が叫ぶと、レオンは瞬時に理解し、ドラゴンの足元に突進した。槍を地面に突き刺し、魔法の力でドラゴンの動きを一瞬止める。


「今だ!」俺はその瞬間を逃さず、全力でドラゴンの弱点を狙った。剣が鱗の隙間に入り込み、深く突き刺さった。


ドラゴンは痛みに咆哮を上げ、体を振り回して反撃しようとしたが、王女の部下たちが協力して抑え込んだ。彼らは訓練された動きでドラゴンの翼を封じ、動きを封じ込めることに成功した。


しかし、ドラゴンの力は凄まじく、一瞬の隙を突いて反撃してきた。火炎のブレスが再び吐き出され、俺とレオンは瞬時にかわしたが、部下の一人が火傷を負った。


「大丈夫か!」俺が叫び、すぐに治療の手配をした。


「リュウ、レオン!これを使え!」王女の部下の一人が叫び、菜々美から渡された特製のハーブティーを差し出した。


「ありがとう!これで決着をつけるんだ!」俺はハーブティーを飲み干し、再び力をみなぎらせた。ステータスが上昇し、身体中に力が漲るのを感じた。


「レオン、行くぞ!」俺は再び剣を構え、レオンも槍を握り直した。二人は一斉に攻撃を仕掛けた。


ドラゴンの猛攻をかわしつつ、俺は剣を振るい、レオンは槍を突き出した。俺の剣がドラゴンの鱗を切り裂き、レオンの槍がその心臓を狙った。


ドラゴンは再び咆哮を上げたが、今回は違った。俺の剣が深く入り込み、レオンの槍がその心臓を貫いた瞬間、ドラゴンは力を失い、その巨体が地面に崩れ落ちた。


「やった……!」俺は息をつき、勝利を実感した。


「リュウ、レオン、よくやったわ!」王女殿下が駆け寄り、俺たちを称賛した。


「皆の協力があってこその勝利です、王女殿下。」俺が答え、部下たちも安堵の表情を見せた。


俺たちはドラゴンの巨体を確認し、再び旅路に戻る準備を始めた。ハーブの場所はもう少し先だ。俺とレオンは疲れを感じながらも、目的地が近いことを感じていた。


「さあ、行こう。このハーブを持ち帰れば、町の人々を救うことができるんだ。」俺はそう言って、再び仲間たちを励ました。


険しい山脈の頂上に近づくにつれ、俺たちの歩みは次第に重くなっていったが、決意は揺るがなかった。再び進み始めた俺たちの目の前には、希少なハーブが群生する場所が待っていた。美しい花を咲かせ、強い香りを放つ希少なハーブが一面に広がっていた。


「これが……目的のハーブだ!」俺は驚きと喜びの声を上げた。


「これで封印の儀式に必要なハーブが揃った。」レオンも感激の表情を浮かべた。


「早く戻ろう。菜々美たちが待っている。」王女殿下の部下が促し、俺たちはハーブを丁寧に摘み取って袋に詰めた。


全員が無事にハーブを収集し終えた時、俺は仲間たちに向かって微笑んだ。「よくやった、みんな。これで町の危機を救える。」


「菜々美のカフェに戻ろう。全員無事に帰還するんだ。」レオンが決意を込めて言い、全員が頷いた。


こうして俺たちは、険しい山脈を越え、希少なハーブを持ち帰ることに成功した。次なる挑戦が待っていることを予感しながら、俺たちは仲間たちの元へと急いだ。


俺たちリュウ、レオン、王女殿下の部下たちは希少なハーブを手に入れ、険しい山脈を越えて町へ戻ることを急いだ。俺たちの心は、成功への喜びと、町の人々を救うための強い使命感で満たされていた。


「みんな、無事に戻ることができて本当に良かった」と俺は満足げに言った。


「これで菜々美たちに良い報告ができるね」とレオンも笑顔で応えた。

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