第16話 勇者、挫けず
高校1年生、16歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「返してくれんかのぅ?」
「……っ」
唇を噛み締め無言を貫くサラ。
しかしこの圧迫面接状態、答えは出ているも同然ーーーーー
「返してくれれば悪いようにはせんぞ?」
「………断るっ!」
ーーーーではなかった。
最後通牒を華麗に跳ね飛ばしたサラにミューティルは疲れたような、諦めたようなため息をつく。
そして、野菜コーナーの商品棚に迷いなく手を伸ばす。
直後、
「「ーーーー?!」」
サラもハルマも揃って目を見開いた。
瞬きの間に、青々とした緑の植物のツルのようなものがミューティルの手の中の“商品”から長く長く伸び続ける。
どんどんどんどん伸び続け、
「……ぐっ?!」
一瞬でサラの体にヘビのごとく巻き付く。
そのままツタにぐるぐる巻きにされたサラは地面へと膝を折った。サラの着ていたカッコいい服が見えなくなるほどツルが巻き付く。
そしてようやく、満足したかのようにツルの成長は止まった。
「ふう、一段落じゃな」
手に、ツルの元凶を持ちながらミューティルはのんびりとした足取りでこちらに戻って来る。
口をぽっかり開けたまま固まるハルマに、
「わしに任せるのじゃ、と言ったじゃろ?」
プラスチック包装を突き破って長いツルと化した豆苗を見せ、不敵な笑みを浮かべるのだった。




