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第10話 妥協したんじゃよ 

高校1年生、16歳の天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

「うーむ。ここから動かないのぅ。まさかここに拠点が……」


「下向いてて酔わないの尊敬するわ」


「乗り慣れているからのぅ。フワフワじゃし乗り心地はよかろう?」


「揺れすぎだろ。

乗り心地最高に悪ぃわ」 


魔晶石奪還に向けて大地を強く蹴り、全力疾走する魔法猫、メルヴィルの上。


スマホ画面を見つめ、マップの一部を指で丸く囲み真剣な顔つきのミューティル。


その後ろ、彼女とは対照的にハルマは本日2度目のグロッキーを食らっていた。


「…つーか、俺同行しても多分何の役にも立たねぇよ…?」


半ば強制的にメルヴィルの背に乗せられそこから約3分経過。


震度5強くらいの揺れとともに旅路は進んでいた。

今すぐにでも降りたい。


そんなハルマの浅はかな希望は、


「何を言っておる。

使用人たるもの、主と行動をともにするのが当たり前であろう?」


「使用人の件承諾した覚えねぇけど?!」


視線さえ上げない、諭すようなミューティルの口調のミューティルの前で鮮やかに砕け散った。


青々しい草の匂いが強くなる。

どうやら森の中へと入っていくようだ。

周りの木々の密度が上がる。


「そもそも何で俺を召喚したんだよ……」


冴えない男子高校生。

自分を表すにはその一言で十分だ。


だからこそ、靴箱に手紙が入っていたときかなり浮足だったのだが、……ハルマの青い春は遠かった。


「ーーーー本当はじゃな」


ようやくスマホから目を離し、ミューティルは少し躊躇う素振りを見せつつ口を開いた。


「本当は、ミシュラン5つ星のホテルのシェフを召喚するつもりだったんじゃが、成人を呼ぶには、3日間飲まず食わずだったわしの魔力と体力がどうしても足りんくてのぅ……」


「5つ星のシェフとは料理の腕前が天と地ぐらい違うけど俺で良かったの?!妥協しすぎじゃね?!」


あくまで人より少し料理ができる程度。


星付きのシェフはおろか、そこら辺の飲食店で働いている料理人にさえ勝てる気はしない。


「先程のお主の料理は実に美味かった。わしの選択は間違ってなかったのじゃ。じゃからお主も自身を持て」


「すげぇ複雑な気持ちだわ」


ハルマのいた世界の料理はもっと美味しいのだと力説したい気持ちは山々だが生憎それを証明する手立てはない。


もっとしっかりしたものを作っておけば良かったという後悔さえ感じる始末だった。


しかし、本格的に森の中へと入り足場の悪くなった道をスピードを落とさずに駆けていくメルヴィルの上。


そんな悠長な考え事は3秒とたたずにハルマの頭の中から抜け落ちるのだった。




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