お嬢様執事。
デスゲーム好きお嬢様の館の執事の話し。
私は藤堂家に使える執事。
執事の朝はとても早い。
料理長に料理の献立を渡し、使用人に掃除洗濯、そしてお嬢様の朝の身支度を指示をする。
その後、倉庫の備品を確認をしつつ屋敷の異常の有無を確認…
バァン!!
はて?何の音でしょうか?
お屋敷に仕え…はや数十年色々な出来事に遭遇・体験を致しましたが、あいも変わらず不思議な現象ばかり起きております。
特に不思議な音だけではなく…なぞの悲鳴や罵倒などの騒音?
しかし、業務を怠る訳にはいきません。
騒音に対しては手の空いた者に指示し対策を…。
おや?謎の血痕ですね。どなたか怪我されたのですかね?すぐに掃除を…!
布雑巾を素早く出して拭おうした瞬間に足元が空気を舞う感覚。トラップ式のかなり深い落とし穴が出現した。
どなたかのイタズラでしょうか?後でキツく説教を…と考えながから穴の淵をしっかりと掴みよじ登る。そして、近くの電話機で工事業者に繋げる。
その様子を遠くの物陰の側で見守る2人、館の主人のお婆様と孫娘の新しい教育係の河野。
「執事の斉藤だ。」と、お婆様は軽く河野に紹介をする。
「あ…はい、以前に挨拶をさせていただきました。」まだ、少し言いたげそうな表情がうかがえる。
「…どうした?」
「お嬢様のトラップに掛からない斉藤様が教育係でも良いのでは…と思いまして。」
「斉藤は過去にフリーの傭兵で働いて孫娘のトラップには動じないし対処も出来るが…仕事に負担がかかる、そして」
「はい…?」
「…何と言うか、天然…言ったら良いのか?仕事人間でな。」
「天然…?」執事に目を向ける。
執事の斉藤は2人の存在に気がついたようで、一礼をし近づいてくる。
「おはようございます。ああ、河野様もいらしゃるのですね。今日のスケジュールの確認いたしますか?」ピン!ピン!ピン!
斉藤が歩く度にトラップの糸らしきモノを踏んでくる。
連動してパカパカと落とし穴が開くがおどろきもせずにスルスルと避ける斉藤。
「おや、コレは酷い。こちらも業者の手配しなくては!?」
「コレは茉李那の仕業だよ。」っとお婆様は穴を指して説明書しようとするが…。
「ははは、可憐な腕のお嬢様がですか?今日も冗談がお上手ですね。さて、来客についてですが…」スラスラとスケジュールの内容を話し始める。
小さくポツリと河野が呟く「天然…?」
お婆様はこちらを見ながら頷いていた。