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水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました  作者: ありぽん


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第75話.父さん達の休憩と新たな情報

「ぱぁ」


『ん? 何だグレンヴィル』


 俺達の所へ休憩に来た父さん達。だけどこれからの対策についてとか、半端者についてとか。なかなか今のゴタゴタのことから、離れられなくて。

 いや、俺だって分かっているさ。いくら休憩とは言っても、今は敵と戦っている最中。本当にゆっくりなんてできるわけないって。


 でもさ、少しでも父さん達には休んでもらいたいんだよ。ほんの少し10分くらいでも良いから、今は何も考えずに、ゆっくりとしてくれないかな。そう思って俺は父さんに声をかけた。


「ぱぁ、おちゅう」


『おちゅう? 何だ? 今の言葉は初めて聞いたな』


「私もだ。というか私はほとんどグレンヴィルの言葉は分からないが」


『アトウット、お前分からないのか?』


『私も初めてお聞きしましたね。何でございましょう』


『はっ、アトウットが分からないんじゃダメだな』


 大人組、全滅だった。でもこうしか言えない俺は、何回か同じ事を言ってみることに。もしかしたら気づいてくれるかもと。でも結局大人組はダメだった。でも何回も言ったことで、姉さんが分かってくれたんだ。


 俺が同じ事を言い始めてから、姉さんは俺をじっと見たまま何かを考えていて。俺が言うのを諦めようとした時。


『パパ、グレンヴィルは、パパおやすみっていってるよ。パパおやすみしにきたでしょう。どうしてずっとおはなし?』


 姉さんはナイスだ!! もしかすると姉さんも、俺と同じ事を考えていたのかもしれなくて、それに時々俺の言葉を分かってくれるのが重なって、俺の言ったことに気づいてくれたのか。何にしろナイスだ!!


 そして姉さんの言葉に、ハッ!! としたのは父さん達だ。すぐに納得してくれて、その後父さんは困った顔で、俺達をまとめて抱きしめて来た。


『はぁ、子供に心配をかけるとは。確かにずっとお話しだな』


『本当だ。まさか子供に心配されるとは』


「まだ少し時間はあるのだろう? では少し話しはやめよう」


 俺達の言葉に、父さん達が話しをやめてくれた。はぁ、これで父さん達もゆっくりできる。俺と姉さん、モコモコ達と小さいフルフルは、父さん達がゆっくりとソファーに座るのを確認した後、騒がずに抱っこされていた。


 本当だったら抱っこもやめた方が良いと思うんだけど、俺達が側に居た方が良いらしい。だから俺達はなるべく静かにしていたよ。


 それから父さん達は1時間ほど、時々はたわいもない話しをし、紅茶を飲みながらゆっくりと過ごした。そしてその後、残り休憩1時間くらいは、また戦いのことを話し合い初めて。


 でもその時の父さん達の様子。父さん達はとってもスッキリとした顔をしていた。1時間だけでもしっかり休憩することで、かなりスッキリできたらしい。うん、やっぱりゆっくりしてくれて良かったよ。


「さて、これからのことだが……」


 そしてそれは、父さん達が話し合いを始めて、少し経ってからだった。ユースタスさんのところのエルフさん、連絡係をやってくれているエルフさんが、急いで俺達の所へ来たんだ。どうも別の街に居る人から父さんに連絡が入ったらしい。


 その話しを聞くために父さんはすぐに廊下へ。でもすぐに戻って来て、俺の息吹のパルを確認し始めたんだ。その時の父さんの様子はとても慌てていて、しかもかなり俺のことを心配していた。それから俺の周りの警備を強化するって。


『もしや、あの情報が?』


『ああ。向こうで捕まえた半端者から情報を得たらしい。その半端者の名はキャロルとザッカリーだ』


『まさかその2人が!?』


 アトウットさんが驚くのを初めて見た。アトウットさんはいつもおっとりしているようで、でも動きは素早く、何でもこなす隙がないって感じの人だ。

 しかもいくら忙しくしていようと、あの優しい表情を変えることがないんだ。そして俺や姉さん、モコモコ達や小さいフルフルには、いつも優しくらい笑ってくれて。


 そんなアトウットさんがこんなに驚くなんて。キャロルとザッカリーって、一体誰なんだ?


『ザカライアが、こちらへこようとしたが、やはり情報がいると。無理をして情報を引き出したらしい。そのおかげで全てでなないが、色々なことが分かった。そしてその情報の中に、グレンヴィルのものが』


『やはりあの情報は、間違いではなかったのですね』


『ああ。と、この話しは向こうで、子供達の前ではな。ケニーシャ、グレンヴィルと遊んでいてくれ』


『パパ、まだ行かない?』


『まだ行かないよ。今はちょっと大切な話しがあるから、みんなでお話しするだけだ。なるべく早く話しを終わらせるから、そうしたら行くまで、抱っこしてあげるからな』


『うん!! グレンヴィル、あそんでよう!!』


 俺達の側にはリズが、父さん達は部屋の端の方へ移動して話しを始めた。ま、待ってくれ!! 俺が狙われているって、俺の話なんだろう!?

 俺と遊んでくれようとしている姉さんには悪いが、俺は今父さん達の話しが気になるんだ。


 俺はハイハイをして父さん達の方へ行こうとする。だけどそれを止めたのが、もちろん姉さんとモコモコ達、そして小さいフルフルだ。

 まだハイハイができたばかりの俺。リズが止めなくても、姉さん達だけで俺を止められるんだ。くそっ、小さいとこういう時に困る。


 誰かが敵側から情報を聞き出したみたいだけど。父さんのあの慌て方、本当に俺は狙われているんだろう。でも何故? 俺のような赤ん坊に、普通用なんてないだろう。


 ご飯を食べて、トイレとゴロゴロ、後は遊ぶだけの毎日だ。ああ、勿論もふもふを堪能するのも日課だけど。


 そんな俺を狙うって。おい、バカ神!! また俺は面倒ごとに巻き込まれたみたいだぞ!!

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