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水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました  作者: ありぽん


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第104話.モコモコ達の失敗笑

 急に見えなくなったモコモコ達。ユースタスさんによると、みんな親シードラゴンが俺達と手を組んでくれるってことに喜んで、その辺を走り回って、それから泳いでいるみたいだけど。


「もちゃ、ふりゃ、びゅ!! りぇりゅう」


「何だ?」


『おい、その赤子は何と言ったんだ?』


「私にも分からない。もちゃはモコモコで、ふりゃはフルフル、そこまでは分かるが。びゅ!! は、ビュッ!!っと走っていると言うことか? しかし『れりゅう』とは?」


『今のでそこまで分かったのか?』


「いや、今のはたまたま私が分かる言葉が多かっただけだ。この子の親や姉、他の者に教えてもらってな」


『……親、か』


「お前の事情は分かったし、お前が世の中をどう思っているかも分かった。が、子供達が言った通り、全ての者がお前の考えているような者ではない。あの無害なダンスを見れば分かるだろう?」


『……』


「お前がここから子供達と逃げ出し、その後どうするか、私には関係ない事だ。しかしもしここから無事に逃げる事ができたら、この子やこの子も家族の魔獣達は、家族の元へ帰してやってくれないだろうか。そして静か暮らしをおくらせてやってくれないだろうか」


『……その辺は考えておく』


 何だよ、放っておいてくれないのかよ。俺達はそっちに何もやっていないじゃないか。いや、昔には何かあったかもしれないが。今の俺達とは関係ないじゃないか。

 

 父さん達には、親シードラゴンが今回どうして俺達の国を襲ったのか。どうして俺を連れ去ったのか。そして双子シードラゴンのこと、親シードラゴンの奴隷契約のこと。

 その全てを話せば、きっと父さん達も本当の敵が誰なのか分かるし。それでこれ以上親シードラゴンが国を襲わなければ、父さん達だってシードラゴン達を攻撃しないはずだ。


 そして俺やモコモコ達に小さいフルフル、双子シードラゴンはもう友達だからな。友達が争うなんて。そりゃあ、喧嘩はするかもそれにけれど、それは仲がいいからであって、悪い意味での喧嘩ではない。


 いや、そこまでの友達なのかと言われればアレだけど、それでもこれからもっと仲良くなっていけば、一生の友達にだってなれるかもしれないんだぞ。

 だからさ、どうせまだまだ時間はあるんだから、少し放っておいてくれないだろうか。


 と、それはまた後で話せば良いとして、今はみんなのことだよ。俺がさっき言ったのは、モコモコ達や、小さいフルフル達は、びゅっ!! と早く、陸でも走れるのか? って聞いたんだよ。

 うん、それにさ。そろそろみんなを止めなくて良いのか? これからまだまだ色々、相談しなくちゃいけないんだろう?


 さっきのみんなの話しはとっても大切なことだったから良いけど、お尻振りダンスでかなり時間を使ったはずだ。早く次の話しに移った方が良いはず。ジェフィリオンが来るかもしれないし。


「はにゃ、あちょ、い。しょりぇ、はにゃ、しゅう!!」


「今度は何だ?」


『まったく分からん』


 今のは、俺の話しは後でで良いよ。それよりもこれからの事について、早く話しを始めよう、って言ったんだ。俺はもう1度同じ事を言おうとした。

 だけど、どうせこんなに長い言葉をユースタスさんも分からないだろうし。親シードラゴンは絶対に分からないだろう。なら俺がモコモコ達を止めた方が早い。


「ちゃっ!! みちゃ、もっ!! こりぇ、いちゃおちゃ、みにゃあちゃ、はなちゃ!!」


 今はの、お~い!! みんな、戻ってきてくれ!! これから大切な話しをいっぱいしないといけないんだから。みんなで逃げるって決まったんだから、みんなでこれからの事を話し合わないと。


 結構長く話しているけど、俺の場合はまだしっかりと話せないからな。ユースタスさんと親シードラゴンがさっきよりも更に、何言ってんだこいつって感じで俺を見てきていた。


 と、俺がみんなに話しかけた途端に、シュッ!! とモコモコ達と小さいフルフルが現れた。急な登場にちょっと驚いてしまう。

 後でみんながどうやって動いていたか、聞けたら聞いてみよう。だって、いつもよちよちペンギン歩きの小さいフルフルまでが消える動きをしていたんだから。気になるよ。


 そして俺がちょっと驚いているうちに、向こうの檻の方では、俺達に1番近い場所で、双子シードラゴンが現れて。


「みにゃ、はにゃよぉ。みにゃ、わしゅう?」


 今のは、みんな、ほら話し合いだ。忘れてないか? って言ったんだ。するとみんながお互いを見合って、それからブツブツと何かを言い合ったら、全員で笑い始めた。その笑い顔は少し困っているような笑い顔で。


『ぷぴぃ』


『ぷうぅ』


『くうぅ』


『きゅきゅう』


『くきゅう』


「何だ? お前達、グレンヴィルにそう言われたのか? よく分かったな」


 今のは、忘れてた、危ない危ない。ね、忘れてたね。グレンヴィルが言ってくれて良かったね。うん、良かった良かった。そう言ったらしい。

 やはりあの困ったような笑い顔は、俺の見間違いではなかったようだ。しまったしまったという感じだろう。


「お前は時々、大人が言うような事を言うな。まさかお前がモコモコ達を止めるとは。いやその前に、何故あの言葉でモコモコ達は分かるのか」


『まったくだ』


 ちょっとドキッとしたけど。ほらほら、ユースタスさんも親シードラゴンも、話しを始めないと。


 こうして俺達は話し合いを再開する事に。まさかの相手と手を組む事になったけど、それでもこれでこっちの戦力はアップしたし。逃げる方法を考えるのも、考える相手が増えたから、今までよりもアイディアがもっと出てくるかもしれない。


 さぁ、みんなでこんな所からは、サッサと逃げよう!!

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