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【誘惑《テンプテーション》】
琴美は、改めて音羽の服装をじっくりと見た。裾がふわりと大きく広がったスカートが可愛らしい。フリフリでふわふわな服は実は結構、好きだったりする。でも・・・・・・。
「あたしも、ちょっと無理かも……」
視線を外した琴美は、独り言を呟くように自嘲気味に言った。
「え~っ~!」
と、どの辺から話を聞いていたのかわからないが、音羽が割って入ってくる。
「琴美ちゃんなら~、きっと似合と思うけど~?」
そして、間に立つ羽音が冷汗笑いしているのも気にせずに、熱心に語りかける。
「そ、そうかなぁ?」
しかし、当の琴美は、音羽の迫力に圧倒されてやや困惑気だった。
「うん~、絶対、可愛い~」
それでもお構いなしで、音羽は天使のような微笑みを浮かべて琴美を見詰める。
「1回、着てみようよ~?」
さらに、小首を傾げてるとねだるように甘い声を出す。
「う、うん……いいよ」
その愛らしさ仕草に、つい頷いてしまう琴美だった。