204/249
【考える羽音】
食事を終えて、風呂の時間になった。
また一悶着遭ったが、結局、今日も音羽は目隠しをされて風呂に入った。
部屋に戻ってから、おしゃべりをしていると就寝の時間になった。
部屋には布団がひかれ、昨日みたいな枕投げもなく、四人は布団に入った。
疲れもあってか、音羽、琴美、薫は直ぐに安らかな寝息を立てた。
「・・・・・・」
ただ一人、羽音だけは眠れず、ぼんやりと天井を眺めていた。
いろいろな事があった一日だった。
バス移動に失敗したことは今でも考えると胸が痛んだ。
だが、今、羽音の頭の中を支配しているのは別の事だった。
”わたしは~、はのんちゃんとだったら~、キスしたいよ~”
廊下での音羽の言葉が頭の中をぐるぐる廻る。
あの時は怖くて考えるのをやめたが、こうして独り布団に入るとどうしても気になってしまう。
(もしかして、おとはも・・・・・・)
そう思ってしまう羽音だった。