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【帰還】
部屋に戻ると、琴美と薫が待ち構えていた。
「おかえりー」
「ただいま~」
琴美の出迎えに、音羽がほんわか笑顔を浮かべた。
「・・・・・・ただいま」
羽音もできるだけ冷静に挨拶を返すが、それでも先ほどの余韻を完全には断ち切れなかった。
「あれ?」
その異変を琴美は鋭く察知した。
「顔赤いけど、どうしたの?」
その指摘に羽音はドキッとした。
「なんでもないよ~」
しかし、音羽はいつものほんわか笑顔で柔らかくかわす。
「うん、なんでもないよ」
なので羽音は、姉の機転に乗ることにした
「・・・・・・」
そんな二人を神妙な面持ちで見る薫だった。