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双子姉妹  作者: 碗古田わん
第十一話『音羽の気持ち 羽音の気持ち』
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【一線】

「なにやってるの!?」

 ねだるように唇を突き出す音羽に、羽音はもの凄い剣幕で突っ込みをいれた。

「ん~?」

 しかし、音羽は意に介さない様子で目を閉じたまま微笑む。

「ちゅ~」

 その笑顔は乙女そのものだった。

「そんな・・・・・・」

 躊躇ない姉の態度に羽音は混乱した。

「だって、あたし達、姉妹だよ・・・・・・」

 心臓がバクバクとうるさいぐらいに鳴り響いた。

(おとはとキスできるチャンスだけど・・・・・・それは、超えちゃいけない一線だよ・・・・・・)

 頭の中で悪魔が囁く。

”キスしちまいなよ。好きなんだろう?”

 もう片方で天使が囁く。

”音羽は実の姉なんだよ。キスなんて絶対駄目だよ”

 目をぐるぐるさせて、悩む羽音だった。

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