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【音羽のお願い】
羽音はまじまじと音羽を見た。
「なにか御礼をしないとね」
それから真面目な顔で言う。
「御礼なんていいよ~」
そんな妹の健気な態度に、音羽は首を横に振った。
「それじゃあ、あたしの気が済まない」
しかし、羽音は譲らなかった。
「なんでもいいから、御礼がしたの」
願うように、羽音は音羽に聞いた。
うーん、と音羽は首を傾げて考え込む仕草をした。
「じゃあ~」
すると、なにか思いついたようでほんわか笑顔を浮かべた。
「今日の入浴時間は~、目隠しなしにして欲しい~」
「それは駄目!」
懇願する姉の願いを、速攻で却下する羽音だった。




