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【音羽、歩く】
「京都からは、バスか歩きなんだが・・・・・・」
薫は言葉を濁した。
「歩こう~!」
音羽は即決した。
「えっ!?」
それを聞いた琴美は驚きの声を上げた。
音羽が歩くのが嫌いなのを知っていたからだ。
薫が言葉を濁したのも同じ理由だったが、その言葉に真顔を崩して目を見開いた。
そうしてるうちに地下鉄阪急京都本線は鳥山駅に着いた。
「行こう」
「肯定だ」
扉が開くと同時に、琴美と薫はホームに飛び出した。
「行くよ~、はのんちゃん」
音羽は羽音の手を引くと、地下鉄を降りた。
「・・・・・・」
姉の言われるがままに、地下鉄を一緒に降りる羽音だった。