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【緊急事態】
「どうしよう・・・・・・先生に怒られる・・・・・・」
姉に抱かれながら、羽音は思い詰めたような顔をした。
「緊急の時はルート変更してもいいんじゃなかったけ?」
そんな羽音を心配そうに見ながら、琴美は励ますように言った。
「大丈夫だよ~」
妹の頭を撫で続けながら、音羽はほんわか笑顔を浮かべた。
「その時は~、一緒に謝ってあげるから~」
優しく羽音を思いやる。
「サージちゃん~」
そして、薫を見た。
「ルート検索~、お願い~」
「了解した」
頷いた薫は、ポケットから携帯電話を取り出すと、QWERTYキーボードをスライドさせた。
「ここが四条河原だから・・・・・・駅名は河原か・・・・・・?」
それから、京都の地下鉄情報サイトにアクセスすると、素早くルートを検索する薫だった。