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【商店街の佇まい】
そのまま店を物色する琴美に、他の三人は付いていった。
「どこがいいかなぁ」
どの店に入ろうか琴美は迷った。
店頭に並ぶ商品を眺めては、また次の店に行く。
その繰り返しだ。
「時間はたっぷり取ってあるから、ゆっくり見てけばいいよ」
安心させようと、羽音はそんな事を言った。
「うん、ありがとう」
琴美は羽音の気遣いにお礼で返した。
一方、薫は商店街の異質さに思案していた。
「商店街の並びに、お店に混じってお寺の門が点在するのか・・・・・・」
当然、地元では見られない空間だった。
「なかなか不思議で面白い・・・・・・」
まるで異世界に迷い込んだみたいな感覚に薫は神妙な顔になる。
「・・・・・・~」
そんな三人をほんわか笑顔で見守る音羽だった。