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【新京極へ】
祇園から市営バス二〇一号(時計回り)に乗り、四条川原町で市営バス二〇五号(反時計回り)に乗り換え、河原町三条まで来る。
相変わらず道が混んでいて、時刻表通りには着かなかったが、それでもなんとか目的地に辿り着いた。
「ここだ」
バス停から歩いて直ぐのところに新京極商店街の入口があった。
「どのお店に入ろうかなぁ」
商店街に入ると琴美は早速、服を売っている店を物色し始めた。
「京都まで来て、服買うの?」
羽音は呆れたように言った。
「だって、こんな時じゃないと、こんなにお小遣いもらえないもん」
それに対して、琴美はハイテンションで気合いを入れる。
確かに羽音も旅行用に、と母より特別にお小遣いをもらっているが、流石に服にを買う気にはなれなかった。
「お土産代までつぎ込まないようにね」
やれやれと思いながら、忠告する羽音だった。




