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【素朴な疑問】
駒子の演舞が終わり、四人は拍手した。ここからは、おしゃべり時間になる。
しかし、本物の舞妓を前に緊張して、羽音と琴美、それに薫は言葉が出ない。
「綺麗ですね~」
ただ一人音羽だけは、グイグイと駒子に迫る。
「おおきに」
そんな態度を微笑ましく思いながら、駒子はゆったり微笑んだ。
「歳はいくつなんですか?」
それで、少し緊張がほぐれたのか、琴美が素朴な疑問を投げかける。自分達とあまり歳が離れてないと思ったからだ。
「十七どすえ」
予想通り、自分達よりもちょっとお姉さんなだけだった。それでいい具合に場が温まり、会話が弾んだ。頃合いを見て、音羽は最初から疑問だった事を駒子に聞く。
「やっぱり~、着物の下はパンツ履いてないんですか~?」
思いも寄らぬ質問に駒子は赤面した。
「セクハラ!」
すかさず、音羽の頭をグーで殴る羽音だった。