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【消灯時間になって】
結局、濡れた枕は回収して洗面所で絞ってから部屋に干すことになった。
琴美はそれを気にした。
「ごめんね、あたしが窓開けようって言ったばかりに」
「気にしなくていいよ」
それを羽音は首を振って否定した。
「元はと言えば、あたし達が枕投げ始めたのが悪いんでし」
じゃあ、おあいこだね、と琴美はコロコロ笑った。
だが、消灯時間になり、琴美は困った顔をした。
「枕、足りないけど、どうしよう?」
部屋にいるのは四人。
しかし、枕は一つ駄目にしたので、三つしかない。
「大丈夫~」
すると音羽がほんわか笑顔で言った。
「わたしとはのんちゃんが一緒に寝るから~」
「えっ!?」
意表を突く提案に思わず声を上げる羽音だった。