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【禁断の恋】
「なら~、帰ろう~」
羽音の機嫌が直ったと悟った音羽はいつものほんわか笑顔で言った。
――あたし達は双子姉妹……、
またもや、その笑顔に見とれてしまった羽音は、頬を赤く染めながらこくっと頷く。
――だから、あたしがおとはに抱くこの気持ちは許されないもの……、
手をつないだままで二人は一緒に歩き出した。
「はのんちゃん、おっぱい大きくなった~?」
「そ、そんなことないよ!」
と、いきなり音羽に聞かれて、羽音は動揺しながら否定する。
――それでもあたしは……、
「そうかな~?」
すると音羽は、大きさを確かめるように空いている手で自分の胸を触り始めた。
「あっ、こらっ! またーっ!」
周りの目を気にしない姉の行動を羽音は慌てて制した。
――おとはが…………好き……。
夕日を背景に、手はつないだままで、まるでじゃれ合うように帰る音羽と羽音だった。