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双子姉妹  作者: 碗古田わん
第九話『修学旅行の夜』

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【そして、入浴】

 旅館の風呂場には小さな天窓があった。

 生憎、雨が打っているので夜空はうかがえない。

「綺麗な夜空だね~」

 しかし、それを眺める音羽は、心にもないことを言った。

「そうだね」

 そして、羽音も上の空で答える。

「ねぇ~、はのんちゃん~」

 風呂の壁を見ながら音羽は聞いた。

「なに?」

 音羽の後ろに座った羽音は、首を傾げた。

 湯船には音羽と羽音だけが入っていた。

 その背中で他の級友達は、洗い場で身体を洗っている。

「後ろ~、振り返っていい~?」

 音羽は下から目線でお願いした。

「絶対駄目!」

 しかし、その要求を断固として突っぱねる羽音だった。

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