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【後始末】
四人が食べている間にも、ご飯は出汁を吸って増殖し続けた。
その結果、残ったご飯は少量だったのにも関わらず、大量の雑炊が鍋に残った。
「でっ? これどうするの?」
最初からこのことを懸念していた羽音が、ジト目で音羽と琴美に聞いた。
「わたし~」
ほんわか笑顔で音羽が宣言した。
「もうお腹いっぱい~」
それを聞いた琴美が慌てた。
「あ、あたしも!」
降参とばかりに両手を挙げる。
二人の視線が薫に向けられる。
「残念ながら」
だが、薫は真顔でギブアップする。
「自分もだ」
「だ・か・ら! これ、どうするの!?」
三人の無責任な態度に、目を三角にして怒る羽音だった。




