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【違和感】
京都駅を出たバスの集団は、まず二条城へと向かった。
そこでの見学を終えると、金閣寺へと行き、次に嵐山へと移動すして、昼食を取った。
さらに銀閣寺に行き、銀色で無い建屋を眺める。そして、またバスに乗り込んだ。
次の目的地である清水寺へ向かう途中、
「なんか、京都って……」
琴美がポツリと漏らした。
「普通の街だね」
「あたしも思った!」
すると、前の席から身を乗り出した羽音が、思いっきり食いつく。
駅に着いてからずっと、引っかかっていたのはそれだったのだ。
「京都の町って、全部木で作られてると思ってた」
琴美は照れ笑いを浮かべた。
確かに名所や神社やお寺は昔ながらの姿を残している。
しかし、それ以外の場所は普通に鉄筋コンクリートのビルがそびえ立つ都会だった。
「一応、建物の高さとかに制限があるらしいが」
二人の疑問に真顔で付け加える薫だった。