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双子姉妹  作者: 碗古田わん
第一話『双子姉妹』
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【愛しい姉《ひと》】

 羽音は瞳を潤ませた。長い睫毛が微かに震えている。わずかに頬に熱を帯びながら、羽音はゆっくりと硝子に歩み寄った。

(一緒にいない時も鏡を見れば寂しくなくなるから……)

 姉がいつでも一緒にいてくれると思うと、どんな時でも安心できた。ただ、それは単に姉妹だから、というだけではなかった。

 そのまま鏡に映る自分に寄り添い、愛おしそうな顔で頬擦りをする。

(だって、あたしはおとはを姉妹以上の気持ちで…………)

と、不意に頭の中昼や身の出来事――音羽が琴美の胸を撫で回す場面(シーン)が浮かんだ。

(なのに……)

 途端に羽音の表情が(かげ)った。愛おしい(ひと)が他の()といちゃいちゃする姿を見るのはとても哀しい。だが、それ以上に……、

(なのに……!)

 硝子に当てた手を羽音は力一杯押しつけた。心の奥底から怒りがふつふつと沸き上がる。普段から節操なくいろんな()にちょっかいを出しまくっている姉に対して。

(どうして、いつもいつも……!)

 硝子がビリビリと震えるのもの構わずに、怒りに任せて手を押しつけ続ける羽音だった。

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