偽善者殺しの絲瀬
20〷年、“ヒーロー”と呼ばれる者が現れ、
ヒーローは日々悪者を成敗し、社会に大きく貢献していた。
しかしそんなある日、突如として日本を大きく震撼させる事件が起きる。
「偽善者(ヒーロー)共は俺が殲滅しないとなぁ……!」
夜空を見上げ、そう叫ぶ一人の少年――砿絲瀬。
彼はにやりと口角を上げながら目の前にいるヒーローを睨み付ける。
この少年は『偽善者殺しの絲瀬』と呼ばれる指名手配者であり、そしてヒーロー業界からとても恐懼され危惧されている存在だ。
ぼさぼさの黒髪と、どす黒い狂気に染まった赤い双眸で目の前のヒーローを睨め付けると、絲瀬は再びにやりと笑う。
「術式A展開――【偽装】殺戮の雨」
そう唱えた瞬間、目の前にいたヒーローは姿を消していた。
正確に言えば、ただの肉塊と化していた。
「これで365人目だ……!!」
絲瀬は嬉々とした感情を声に馳せる。しかし背後から気配を感じ、そして絲瀬は後ろを振り向いた。
そこにいたのは普通の女子高生だった――。
「は?」
思わず疑問符を口にする絲瀬。
しかし絲瀬が驚いたのは“女子高生”という点ではない。
彼女のあまりにも暗い虚ろな瞳だった。
少女の異様なその瞳に意識を奪われ、絲瀬はその場に立ち尽くしていた。
「――て」
不意に、少女が口を開いた。
「――助けて」
少女は俺に――指名手配犯の俺にそう言ったのであった。
ヒーローは日々悪者を成敗し、社会に大きく貢献していた。
しかしそんなある日、突如として日本を大きく震撼させる事件が起きる。
「偽善者(ヒーロー)共は俺が殲滅しないとなぁ……!」
夜空を見上げ、そう叫ぶ一人の少年――砿絲瀬。
彼はにやりと口角を上げながら目の前にいるヒーローを睨み付ける。
この少年は『偽善者殺しの絲瀬』と呼ばれる指名手配者であり、そしてヒーロー業界からとても恐懼され危惧されている存在だ。
ぼさぼさの黒髪と、どす黒い狂気に染まった赤い双眸で目の前のヒーローを睨め付けると、絲瀬は再びにやりと笑う。
「術式A展開――【偽装】殺戮の雨」
そう唱えた瞬間、目の前にいたヒーローは姿を消していた。
正確に言えば、ただの肉塊と化していた。
「これで365人目だ……!!」
絲瀬は嬉々とした感情を声に馳せる。しかし背後から気配を感じ、そして絲瀬は後ろを振り向いた。
そこにいたのは普通の女子高生だった――。
「は?」
思わず疑問符を口にする絲瀬。
しかし絲瀬が驚いたのは“女子高生”という点ではない。
彼女のあまりにも暗い虚ろな瞳だった。
少女の異様なその瞳に意識を奪われ、絲瀬はその場に立ち尽くしていた。
「――て」
不意に、少女が口を開いた。
「――助けて」
少女は俺に――指名手配犯の俺にそう言ったのであった。
プロローグ 「女子高生」
2021/09/30 22:29
(改)
1話 「友達」
2021/10/02 20:50
(改)
2話 「夢の少女」
2021/10/02 21:44
(改)
3話 「幻影」
2021/10/03 00:07