今日の罪人は令嬢だった
※不揃いな部分を揃えました。内容は変えていません
罪人が通るから子供を家から出さないようにと、村長が知らせにきた。
俺は18歳だから子供ではないけれど、チビどもの世話があるから家に居残りだ。
昼前に罪人が来たようだ。
村人が罵声を浴びせる。
これは村の役目だから仕方ない。
これも村の収入源だから。俺はまだこの役目はやった事がないけれど、両親は楽しそうだ。
今日は外から聞こえる声が近い。
窓から外を見ると珍しく俺の家の前を通っていた。
――罪人は若い女か。
灰色のつなぎに手には枷がついて、そこから鎖がつながっている。
「きれいな姉ちゃんが何した」
「男をたらしこんだか」
「ゲヘヘへーー」
………
「それだけ!?」
俺は思わず声をあげる。オッサン相手の時は再起不能にするくらいの罵詈雑言を浴びせるくせに、若い女に甘すぎる!!
見てみろ、妻集団の冷ややかな目を!
おっ、ボブさんのとこの奥さんが前にでた
「あんた何をしたんだい」
「……婚約破棄を申し渡されましたので、
婚約者のイチモツをナイフで刺し不能にしました」
「浮気されたのかい?」
「その通りです」
「それならしょうがないね」
………
「えっ? 終わり!?」
罪人に罵詈雑言を浴びせ落ちこませてから、次の石投げの村に送り出すんだろ? めちゃめちゃ涼しい顔してるけどいいの?
「行ってよし」と声がして、彼女は俯いてゆっくりと歩きだす。
彼女の鎖を持った兵士らしき者が、村長に紙の包みを渡す。報酬だろう。うちの村、仕事してないけどいいのか?
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「父さん、若くて美人でも罪人だろ。甘すぎじゃないか?」
「お前、気に入ったのか?」
「そういう話じゃなくて」
「娼館に売られるくらいなら、この村で嫁になっていいと言ってるらしいぞ」
「罪人のくせに偉そうだな!」
それが、今の妻です。
すぐにキレる妻だけど、可愛いところもあって
家事は全部俺だけど、たまに甘えてくるし
子育てもほぼ俺だけど、幸せ…幸せだ。




