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全校集会は指導部の教員の怒号と校長のありがたいお言葉がデフォルト

多くの学生•社会人にとって最大の敵…

月曜の朝だ。

特にヲタクにとっては辛い日だ。

多くのアイドルは土日にライブを行う為、土日に推しと幸せな時間を過ごした後の月曜の朝。

もはや害悪と言っても過言ではない。

まさにファ◯クだ…


通学途中に閃アミュメンバーのおはようツイートにリプを済ませて多少の閃アミュ成分を補充する。

学校ではヲタを隠している訳ではないが、別に聞かれもしないのでわざわざ自分から「俺、ヲタクだよ!」とも言ってない。

なので、学校にヲタ友がいない…

せめて同士がいればヲタトークで盛り上がれるのだが…

元とはいえど一応、アイドル七瀬の兄な訳であまりヲタク全開でも七瀬にも迷惑が掛かるため平凡な学生として目立たない様に生きてます。


平凡な学生の心得。

①登校は早すぎもせず遅すぎもせず

②授業はそれなりに真面目に受ける

③テストは分かっていても平均点を狙う

④体育等はサポート役でそれなりに活躍する

これに徹していれば目立たず平凡な学生生活を過ごせる

それはすなわち大いなるヲタ活ができるのだ!


そんなこんなで登校完了。

そして月曜の朝といえばただでさえ憂鬱なのに地獄の儀式が…

全校集会だ…

何が地獄かってさ、全校生徒集めてなんの指示も無く「はい、今君たちが整列して静かになるまで〇〇分掛かりました」とか言われる始末だ。

いや、嫌味言うくらいなら最初から体育館に入ったら整列して静かに並んでいなさいくらいの指示だせばいいのに…

お次は校長のありがたいお言葉だ。

これは全国で学生の敵でしかない苦行である。

内容があるのかないのか分からない長い長いとても長いありがたきお言葉を密集状態で聞かされるという修行中の僧侶でも厳しい試練である。

体感時間は平均1時間前後にも及ぶ。


そして全生徒が一斉にクラスに向かうため体育館から各クラスまでの謎の渋滞。

これは長期連休の高速道路の渋滞を疑似体験できる画期的なアトラクションwである。

だいたい知らない人とぶつかり気まずい空気になる。


コツっ…

ほら、言ったそばからぶつかったよ…

「あ、すんません…後ろから押されちゃって」

「こちらこそすみません。前が詰まっていて…」

ほぉーん、なかなかに礼儀正しい女子ではないか

このリボンの色が緑ってことは七瀬と同じ2年か

ん?というかこの子…

「地味子…」やべ!口にだしちゃった

「…デス」

「え?なんて?声が小さくて聞こえなかった」

「川崎遥です!!」

「あぁ、ごめんね、妹が地味子って呼んでるって聞いたからつい…本当ごめんね!」

「きっ…!吉田先輩には地味子って呼ばれるのなんか嫌なんです!!」

え?俺ってこの子に嫌われてる?

「ごめん…」

「いや、違くて…先輩には普通に川崎とか遥って呼んで欲しいです…ダメですか?」

「じゃあこれからは普通に呼ぶね。あ、俺こっちだから!またね川崎」

「あ…バーカ…」

地味子改め川崎が何か言ったような気がしたが後ろも詰まっているし立ち話もできないし、気にするような内容でもないだろ。

あぁー授業嫌だなぁぽんに会いてーよ

あー!!!ぽん様ーっ!!!!


〜昼休み〜

「あ…最悪だ」

「京介どったの?」

「七瀬の弁当と間違えて持ってきた…」

「なん…だ…と…京介、その弁当1万でくれ!」

「いや、ごめん、七瀬と交換してくるし」

「そう言わずに!!」

「あと普通にお前がキモいっていうか、気持ち悪い」

「ねぁそれ単純にキモい×2だよね!無駄に2回言われてるだけだよね!ねぇ!京介!!ねえってば!!」

この変態…いや、友達(変態)は杉田寿也。

高校入学以来の腐れ縁でそもそも七瀬のヲタクだったりする。

たまたま仲良くなって、家に遊びに来たら憧れのアイドル七瀬がいてドッキリ番組かと疑った生粋のヲタクである。


「寿也、悪いな…」

「え?」

「お前とはいつまでも親友でいたい」

「きょ、京介っ!ん?でもなぜに悪い?」

「親友でいたいから義兄になるつもりはない」

「ぐはっ!」

どうやら今ので寿也のHPは0になったようだ。

「悪いな寿也、お前の事は嫌いじゃなかったよ」

「勝手に殺すなっー!!!!!」

と、くだらないやりとりはこの辺にしておいて七瀬と弁当交換してこないと。

なぜ、兄が妹の教室まで行くかって?

可愛い妹を歩かせる訳には行かないだろ?キリ

はい、嘘です。

以前にも弁当間違いがあり"ななが行くの?普通はお兄ちゃんが来るでしょ?"と言われたからです。

威厳のある兄になりたいものだ…


七瀬のクラスの前に来たはいいが、あいつ窓側の真ん中の席とか1番声掛けづらい場所じゃねぇか…詰んだ

近くにだれか知り合いでもいれば七瀬に声掛けてもらえるんだけどな…あ!

「川崎ー」

「ふぇっ!?」

「こっちこっち」

「あ、京介先輩?」

たまたま廊下側の入り口の席が川崎だったので川崎経由で七瀬に声を掛けてもらった。


無事に弁当を交換した訳だが、なぜだろ?

今、すごくぽんに会いたい気分だ…

いや、いつも会いたいんだけどなんか違くて…

なんだろ?まるでぽんと話した後みたいな感じがあって

ぽんしか勝たん!みたいな


この気持ちになった理由が分かる時、俺の忘れられない青春が始まる。

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