第一章[新たなる者たち]第六話
「じゃぁ、ブリーフィングを始めますよ~」
まさしく魔法少女。といった感じの装束の少女が話し始める。
ここはヴァルキュリアス第150部隊のブリーフィングルームだ。
集まった七人の者たちが部隊の面々になる。
人類種二名。そして幻獣種、精霊種、宝玉種、飛翔種、幻竜種がそれぞれ一名だ。
「聞いていたと思うけど改めて自己紹介から。私は、静音日花里。人類種で、契り手」
「契り手……」
契り手とは、この星の治安維持をつかさどる組織に所属するもの達の総称だ。
その組織というのは警察のようなもので、崩星大戦終結後に、精霊種の十二勇者<神威極光>オベリスクによって設立された。
彼らは、精霊種と契約を行うことで治安維持の使命を帯びる代わりに、膨大な力と寿命を手に入れるのだ。
「へぇ」
ちなみに彼女が隊長らしい。
後、彼女がこんな格好をしている理由だが、契り手たちはこういう格好を好む傾向にあり、彼女もそれと同じだからだ。
「次の人どうぞ~」
にっこりと笑いながら、彼女が次の者の自己紹介を促す。
「ええと……宝玉種のパールです。よろしくお願いします……」
もじもじしながら、その宝玉種の少女が自己紹介を行う。
体に在る魔力の結晶体、魔晶石は真珠色。
それらが体を覆うのが宝玉種の特徴だ。
そのせいか服の布面積はかなり少ない。だが十分隠せている。
「かわいいな……」
近くに座っていた飛翔種の少年が呟く。
背から一対の立派な真紅の翼を生やしている。
髪はそれと同じ色をしており、瞳の色は対照的に暗い青だ。
「次は俺だな」
その少年が立ち上がって、前に出る。
「俺は、飛翔種のフレースだ。よろしく!」
背中の翼を広げて元気に言う彼、フレース。
彼の動作には力強さが感じられる。
「おい、早くしろよ。俺様の番だ」
突如フレースを押しのけ、幻竜種の青年が進み出る。
「俺様は、幻竜種のヴィ―ヴィルだ」
そう言って、口から軽く炎を吐く。
彼は、幻竜種の中の炎竜族のようだ。
幻竜種にも種類があって、その種類ごとに持っている能力が違う。
例えば、彼のような炎竜種は火に関する能力を持っている。
しかし幻竜種という事は彼は青年という年齢ではない。
彼らは総じて長生きだからだ。
因みに人類種基準で言っているが、大半の種族は人類種の数倍以上長生きだ。
「お次の方~」
日花里が次の者の自己紹介を促す。
順番的に続くのは結であった。それに気づいた彼女は立ち上がり、
「私は人類種の衣姫結です」
自己紹介を行った。
その後には凜華達も。
「では本だ~い」
そして彼女等の話題はここでの本題、初任務の話に移った。