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アポカリプス・デザイア  作者: 結芽月
第一章[新たなる者たち]
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第一章[新たなる者たち]第一話




「では、それぞれの隊のメンバーを発表します」

 新団員指導係の十二勇者の一人、<七剣聖>ククルカンが、声を上げる。

「はい!」

 結を含め、ヴァルキュリアスの首都基地の、とある部屋に集められた少年少女(少なくとも見た目はそう)達が、一斉に返事をする。

 今日は、ヴァルキュリアス新部隊の設立の日だ。

 この日のために、彼ら彼女らは、鍛錬を積み重ねてきた。

 そして、運命のチーム分けが始まる。

 仲の良いものと一緒になれるか、そりの合わない者とくっ付いてしまうのか。

 それによって、今後の動き方が、大きく変わってくる。

 基本的に、ヴァルキュリアスの隊員は、集団行動を行う。

 今回は、若いものも多いので、仲の悪い者同士がいてしまうと、動きが乱れてしまう可能性がある。

 そうなった場合、戦場での活動時、生存率が下がってしまう。

 (種族によっては、精神年齢が、見た目よりも高いものが数多くいたりもするので、

問題ないかもしれないが。)

 それは、極力避けたいのだ。

 後単純に、友達と一緒になりたいというのもある。

「第137部隊[真殻のスラスト]は、甲蟲種のクレイヤ……」

 発表が始まる。

 果たして、友達と一緒になれるのか。

 できればなってほしい、と願いつつ、静かに待ち続ける。

「第142部隊[撃滅の牙]は……」

 ちなみに誰も触れていないが、部隊番号の後ろについている、よくわからない名前は、彼女の趣味……ではなく組織の重鎮の一人、幻竜種の十二勇者<覇竜帝>バハムートの趣味らしい。

 これは、結構有名な話で、組織の末端までにも知れ渡っている。

 いろいろなものにそう言った名を付けるのとにかく好み、判明している六種のデザイアに対しても、エクスマキナ、インターセプターなど名づけを行い、他の者にその名で呼ばしている。

 本人曰く、

「名前が無いと、潰しがいがねぇじゃん」

 らしい。

 そんなんでも一応重鎮なので、絶大な権力を持っていて逆らえないうえに、他の重鎮たちも、それに同調している節があるというかなんというか。

 そんなこんなで、隊の名前も、部隊番号だけでいいだろうに、臭い名前が追加されてしまっている。

 裾を絞った和服姿の結は、緊張しながら席に座っている。

「第150部隊[神姫の双翼]、衣姫結……」

「あっ、はい!」

 名前が呼ばれた。

 急いで立ち上がって、返事をする。

「焔火凜華」

「はい!」

 その次に、友達の名前も呼ばれる。

 どうやら、一緒になれたようだ。

 胸中で喜びつつ、隊の他のメンバー全員の名前が呼ばれてから、席に座る。

 そして、この場のすべての者たちの部隊分けが終わり、

「ではこれから、パッケージの使用機種選別に行きます。これで、あなたたちが命を預ける相棒が決まります。心して臨んでください」

 ククルカンが呼びかけを行い、全員が席から立ち上がる。

 部屋を出て、彼女の先導で、選別が行われる場所へ移動する。



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