表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アポカリプス・デザイア  作者: 結芽月
第三章[休みとトラブルの一週間]
34/91

第三章[休みとトラブルの一週間]第十話

…………

 湖に落下した大型デザイア。

 それとその背に乗っていた小型のデザイア。

 それらがゆっくりと動き出す。

 両方とも大きく損傷しているので、まともな動きはできない。

 なら、何をするつもりなのか。

……!!

 大型のデザイア、バハムートによって[ヴァリアント]となずけられたタイプ。

 それの胴体が白い煙を噴き上げながら、二つに割れる。

ブウォォォォォンン!!

 そこから途轍もない大きさの音が辺り一帯に響く。

「な!?うるさいって!」

 それらのデザイアを撃ち落したヴァルキュリアスの隊員が、その爆音に思わず空中で止まり、耳を塞ぐ。

 長時間聞いていたら耳が壊れそうな音量だ。

 とてもじゃないが耐えられたものじゃない。

……!!

 さらに小型のデザイアの方が、半分消失した上半身を起こし、大型の方の胴のもとに近づく。

―何するつもり?

 耳を抑えながら、疑問に思う隊員。

 デザイアを撃ち落すのに使った砲は、重くてかさばるため、地上に置いてきた。

 すぐに攻撃はできない。

 しかし、嫌な予感が…

 そう思ってデザイアのもとに隊員が接近する中途、小型デザイアが大型の開いた胴にたどり着く。

 そして、

オォォォォォォンン!!!

 より一層大きな音が響き渡り、

「!?」

 嫌な感じが周りの物を射貫き、

 大型デザイアを中心に、突如として黒い空間が…、

「これ、は…」

 あたり一帯を包み込む。

 何のためか…

 自身の再生のための時間稼ぎか。

 それとも…


「…ん?ここは…」

 暗い部屋の、少し湿ったベットの上で、目覚める結。

 起き上がって周りを見ると、隣にはベットには凜華が。

「うん?」

 状況が呑み込めず、混乱する結。

「どうしてこんなところにいるんだろ?」

 ひとまず、気を失う前の事を思い出してみる。

「え~と…湖で遊んでて…あっ。あのデザイア!」

 落下してきたデザイアの事を思い出し、声を上げる。

「う~ん?どうしたの結?」

 その声で凜華も目覚める。

 起き上がり、周りを見渡す凜華。

 思い出したことを伝える結。

「確かにそんなことが…ん?じゃぁ、あのデザイアはどうなって…」

 その時、

「あら、起きたみたいね」

 部屋の奥から一人の水妖種の少女が現れる。

 普通、水妖種の下半身は魚なのだが、彼女は普通に足がある。

 一見の人類種のようにも見えるが、頭に水妖種の特徴の一つである小さなひれがついていることから、水妖種とみて間違いないだろう。

恐らく、魔術によって疑似的な足を形作っているのだ。

 彼女は片手に槍を持ち、周りに水を浮かばせている。

「私はリジェネ。この家の住人よ」

 そう言って、周りの水をクルリと動かすリジェネ。

「あなたが私たちをここに?」

「っていうか家?私たち、湖にいた筈なんだけど」

 質問する二人。

「そうよ。で、ここはこの湖の下にある、私の家」

 腕を組んで質問に答えるリジェネ。

「後、何で私たちをここに?」

「外で轟音がして出てみたら、あなた達が沈んでくるのを見つけたからだけど」

 連続の質問に、少し面倒くさそうに答えるリジェネ。

「そうなんだ。じゃ、あのデザイアはどうなって…」

「質問が多いわ!」

「あ、うん…」

 すぐに切れたリジェネに驚く二人。

 かなり短気なのか。

「もう。ちゃんと説明するからそこに座って」

「あ、うん」

 ベットから降りて床に座る二人。

 それを確認してから、話始めるリジェネ。

「いい?さっきも言ったけど、上の湖で轟音がしたから、家の外に出てみたの。そしたら、浮かぶデザイアっぽい何かと、沈んでくるあなた達がいたの。危険を感じたから取り合えず回収してあげたの。すぐに逃げたから、デザイアはあのままよ」

 すでに答えた質問の答えも含め、ちゃんと話すリジェネ。

「あなた達は、ここでかれこれ五、六時間ぐらい意識を失ってたわね」

「ご、五、六時間」

「ほんと、昼間によくそんな眠れるわね」

「あ、はぁ。どうも」

「褒めてない」

 その時、自分たちの服装が、水着のままなのに気付く二人。

 それによって急に恥ずかしくなってくる二人。

「こ、こんな格好のまま…」

 顔を赤らめる凜華。

「う、うん」

 結もそれに続く。

「あ、言っとくけどまともな服とかないから。あっても貸さないし」

「え~」

 頬を膨らませる凜華。

 恥ずかしいが、この格好のままでいるしかないようだ。

「で、あなた達は上のデザイア、倒しにでも行くの?」

「え?あ、今休暇中だけど、敵が出たんなら倒さなきゃいけないし。そうだね」

「いや、待って結。私たち、デバイス今持ってないよ。魔術と私の幻獣化だけじゃあれ倒すなんて無理だけど」

「え?…ほんとだ、無い。そういえば他の荷物と一緒に置いておいたんだった」

 体中を見わして、言う結。

 まぁ、水着なので確認しなくても持ってないのは一目でわかるが。

「ど、どうしよう。凜華…」

「私に言われても…」

 どうしようもなくなって、会話が止まる二人。

「まぁ、[プラネシア]のヴァルキュリアスの連中に、連絡は入れておいたから、そのうちあのデザイアは撃破してくれるはずだけど。わざわざ出る必要はないんじゃない?」

「え、でも…」

「デバイス持ってないなら、行っても瞬殺されるのがオチでしょう。やめときなさい」

 そう言って部屋を出ていこうとするリジェネ。

「あ、待って!」

「何?」

 思わず、彼女を呼び止める結。

「えと、助けてもらったお礼に、何かできないかな…?」

「そんなのいいけど。そこで休んででもいれば?」

「お礼したいの。それに今、まともに戦えないなら、暇になるから」

「まぁ私も手伝いぐらいはしようかな。暇だし」

 結の申し出に賛同する凜華。

「って、暇つぶしかい…」 

 軽く突っ込んでおくリジェネ。

「で、何か手伝えることない?」

「ないない?」

「む。そこまで言うなら、ご飯の準備を手伝ってちょうだい」

「それならお安い御用だよ」

「うんうん」

 結の言葉にうなずく凜華。

 それから立ち上がる二人。

 まだ少し体が湿っていたので、結が[フレア]の術式を小規模で行使し、体を乾かす。

「終わった?手伝うっていうなら早く来て」

 部屋の奥から手招きをするリジェネ。

「あ、うん」

「すぐ行くよ」

 それを見て、彼女のもとに行く二人。

 


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ