第一章第零話
[注]この回は、解説回なので、会話などはありません。
あれから、二年の時が経った。
[イストレリィア]の五つの大陸のうち、四つが占領され、さらに大陸付近の制海権、制空権も奪われた。
生き残った者たちは、ギルドを発展させ、世界解放機構ヴァルキュリアスを設立。
デザイアと名付けた、世界を襲った脅威に対抗するため、様々なことを行った。
その一つが、五百年前の崩星大戦終結の立役者である、十二勇者の生き残りの指導の下、大戦の遺産である、ロストアームズを各地の遺跡から発掘し、その研究を行うことであった。
その研究成果と全種族の協力により、彼らは、デザイアに対抗可能と思われる装備群、パッケージの開発に成功した。
デザイアが、大陸を完全に掌握するためか、二年の間何の音沙汰もなかったことが、装備の開発へを可能にしたのだった。
彼らは、残り一つの自分たちの大陸「レリス」のデザイアの残党狩りと合わせて、パッケージのテスト行い、データの収集に努めた。
その結果、用途に合わせて、主に三系統のパッケージが、作られた。
一つ目は、2~4m程度の大きさで、個人が装着して扱う、アーマード・パッケージ。
二つ目は、5~8mの大きさで、中に搭乗して扱うタクティカル・パッケージ。
そして三つ目は、特殊なタイプで、精霊種が憑依することによって扱われる、ストライク・パッケージ。
その他にも、聖装や、魔装、宝具、神装などをロストアームズから来た技術で、強化したウェポン・パッケージなどもある。
が、これは、量産などできるわけもない代物なので、個人の追加装備として扱われている。
さらに、もう一系統、開発が行われているパッケージがあるらしいが、それについては、まだ詳しいことは、明かされていない。
だが、ここまで開発を行っても、他の大陸を開放し、デザイアを駆逐できるかはわからない。
奴らには、未だ謎が多い。
わかっていることは、確認されているだけでも、最低六つの種類が、存在すること。
そして、機械というよりは生物に近く、体内の核を破壊すると、光の粒子となって、消滅すること。
それだけだ。
しかし、二年前の初襲来時の何の情報もないときよりは良い。
それに、新たな光も見えてきた。
各地でいくつも、この宇宙を創造したと言われる、創聖種の力の断片に目覚めた者が現れた。
その力は、未来を切り開く、希望の光なのかもしれない。
そして、二年の間に蓄えた力を纏い、再び危機を迎えた星を守るため、ヴァルキュリアスの戦いの本番が、ここから始まる。