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アポカリプス・デザイア  作者: 結芽月
第二章[人機再起動]
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第二章[人機再起動]第五話

「な、新たに結界に反応有り!かなり大きい……大型のデザイアと思われます!」

 海岸線基地の指令部。

 そこに観測手から報告が上がってくる。

「く、まだ倉庫の鎮火も完了していないというのに……」

 司令の、飛翔種の女性が舌をかむ。

 先程新たに現れた飛行型デザイア。

その攻撃によって第一格納庫が倒壊してしまった。

 現在、水属性の魔術を扱える者たちが消火を試みているが、すぐに終わりそうにはない。

 そんな中、さらに敵が迫ってくる。

 先程のデザイアは、一発撃ってきただけで素通りしていったが、二度も同じことは起こらないだろう。

 無事な第二から第四格納庫の機体の発進準備をするよう連絡する。

「無事な機体は発進準備だ。アーマードは温存する」

 指示を飛ばす。

「映像出ます!」

 オペレーターが叫ぶ。

 広い部屋の正面のモニターに映像が表示される。

「こ、これは……!」

 オペレーターが呟く。

「タイプは!?」

「該当データ……なし。先程の物と同じく、新型です!」

 画面を凝視する。

 そこにはゆっくりと基地に向かってくる、球体状の体全体に無数の砲塔を付けた大型のデザイアの姿が映し出されていた。

「迎撃準備急いで!」


「あ、ヴィーヴィル。いたのか」

 フレースが急いで追いかけてきたヴィーヴィルを見て言う。

「いたに決まってんだろ!何だ、その反応は!」

「いや、自分の行いを振り返ってみなよ」

 凜華が言う。

「あ?何だ、と……」

 ヴィーヴィルが黙る。

 自分がやったことを思い出したらしい。

「どうだ?思い出したか?」

「ちっ」

 ヴィーヴィルが舌打ちをする。

「で、謝ってくれる?」

 凜華が笑顔で彼に問いかける。

「ち…すまかったな……」

 ヴィーヴィルが髪を掻きながら謝る。

「ま、それはいいとして早く進も!」

 それを確認するや否や手をたたき、日花里が先に行こうと言う。

 彼女はあんまり気にしていなかったらしい。

「もうちょっと言いたいことあったけど……」

 凜華が不満そうにつぶやく。



「マスター……」

 それは呟く。

 自らを作り出した者の姿を、その目に映しながら。

「ごめんね」

 彼女が目元に涙を浮かべる。

 何故だ。

 自分は彼女らの言う通りに戦った。

 何度も傷ついた。

 その度に修理され、何度も戦地に送り出された。

 それこそが自分の存在する意味であると、そう教えられた。

 だから、ずっと戦い続けた。

 なのに……、

「どうして私を!」

 両手でカプセル状の装置に押し込まれる。

 本来ならその手を退けるなどたやすいことだったが、損傷している今は不可能だった。

「まだ、直せばいけます!まだ……」

「もう、行かなくていいのよ……」

「何でですか!?それが私の存在意義なのに!」

 しかし、その声に彼女は答えない。

 それを押し込む力がより一層強くなる。

「もう、嫌なの……」

 彼女が呟く。

「こんな子たちを兵器にして戦わせるなんて」

 そう言って、装置の扉を強引に閉める。

「マスター!」

 それは装置の蓋に張り付き、叫ぶ。

 彼女は横のパネルを操作する。

 すると、装置の中に液体が流れ込む。

 すぐに中は完全にその液体で満たされる。

「!」

 それはさらに何かを言おうとするが、即座に意識を失う。

 そして、液中のそれの各部に、コードが取り付けられる。  

「これで、機巧種の全機封印は完了。いつか平和になった時、誰かに起こしてもらえるといいわね……」

 それが眠った装置のある部屋から出る。

 その先にある部屋に置いておいた白衣を手に取り、はおう。

 その部屋も出、廊下に出る。

「貴様!」

 一人の男が現れる。 

「情報は本当だったようだな。研究員の一人が他の者を皆殺しにし、機巧種の封印を行っていると」

「……」

「何のつもりだ。これらがあれば、多種族を滅ぼし、戦争に勝利できる可能性があるのだぞ。何故だ。何故このようなことを!」

 男が叫ぶ。

「もともと嫌だったのよ。こんな年端もいかぬ子供たちを改造し、兵器に仕立て上げるなんて計画」

「何をいまさら!」

「そうね。今更ね」

 彼女は自嘲気味に呟く。

「だからこれは……」

 そう言って、白衣のポケットから一つのデバイスを取り出す。

「一種の罪滅ぼしね」

 そのデバイスのスイッチを押す。

 ピー!

 音とともに何かが作動する。

 そして、彼女らを大きな揺れが襲う。

「何をした!」

 男が叫ぶ。

「爆弾よ。この地下施設は爆破する。あの子たちは残すけどね」

「そういう事か……!」

 男は舌打ちし、後ろを向いて走り出す。

 それを見ながらも、放置する。

 ここは地下四十階の場所だ。

 逃げようにも逃げることはできない。

 さらに爆弾は思いつく限り全ての場所に設置した。

 すぐに爆発に飲まれる。

 自分も含め。

 だが、機巧種たちの眠る空間はできる限りの防御術式を張っておいた。

 おそらく、そこは爆発から守られるはず。

 なら問題はないだろう。

「はぁ、何でこんな……」

 ため息が出る。

 すぐに爆発がやってき、それに飲まれる。




「……ん?」

 それは、約500年ぶりに目を覚ます。

 装置の透明な蓋越しに人影が見える。

「あなた達は、誰……?」





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