表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シンデレラのミサンガ

掲載日:2019/10/19

もしシンデレラが、ミサンガを落としたとしたら…。

それは、願いが叶って切れたのだろうか?


深夜0時の鐘。

馬車に乗り込む瞬間、切れたミサンガ。

王子はミサンガを手がかりに、シンデレラを探す事が出来るのか?

探し出せるわけが無い。


「このミサンガは、あなたの物ですか?」


悪い娘は「そうです。」と嘘をつく…。

王子は、一番最初に嘘をついた、悪い娘と結婚するのだろうか…?


もしシンデレラの願いが、舞踏会へ行くことだとしたら…。

願いの叶ったシンデレラは、この先ずっと継母と姉達に虐められ続けるのだろうか?

そんなわけが無い。

なぜならミサンガは、赤とピンクの糸で編まれていたから…。

右の手首に…、利き腕にしていたから…。


恋愛成就を願ったミサンガ。

だったら願いは叶っていない…。



舞踏会から数日後…。


王子は部下を連れ、家々を巡っていました。

訪れた家の娘と簡単な挨拶を交わしては、次の家へ向う。

街の人達は、妃候補を捜しているのだと噂していました。


ある家で、2人の娘に挨拶を終えた王子が、次の家へ向おうとした時、物置に女性の影が見えました。


「あの娘は、この家の者ではないのか?」


母親と2人の娘は、


「とても王子様の前に出せるような娘ではございません。」


と言いましたが、王子は娘を呼び寄せます。

埃まみれ、継ぎはぎだらけの服を着た娘、シンデレラ…。


「王子様。

お目にかかれて光栄です。」


シンデレラは、スカートを軽く持ち上げ頭を垂れます。

と、王子の右手から何かが落ちました。

シンデレラは、拾い上げます。


それは、赤とピンクの糸で編まれたミサンガ。

でもシンデレラが落としたミサンガではありません。

最近作られた新品でした。

王子はニコリと微笑みます。


「私は願いました。

舞踏会の日、私の心を奪った美しい人に、もう一度会いたいと…。」


シンデレラの瞳から涙が溢れます。


「私は思いました。

もし運命が2人を導くならば、その人に出会った時、必ずミサンガが切れる筈だと…。」


王子は、懐からハンカチを取り出すと広げます。

ハンカチの中から切れたミサンガが出てきました。

王子は、ミサンガをシンデレラに手渡します。


「これは、あなたのミサンガですね?」


シンデレラは、頷きます。


「ミサンガは、処分するまでが願い事だと聞きました。

私の願いは、あなたと結婚することです。

私のミサンガを処分してくれますか?」


シンデレラは、泣きながら何度も何度も頷くのでした……。



数日後、王子とシンデレラは結婚しました。

今日は2人で御墓参りです。


シンデレラは、花を供えると両親へ報告します。


「お父様、お母様…、私、結婚しました。

今、幸せでいっぱいです。

どうか安心してください…。」


シンデレラは、切れたミサンガをお墓に返します。

その肩に王子がそっと手を乗せました……。


シンデレラのミサンガは、亡き母が編んでくれたもの。

亡き父が結んでくれたもの。

夢が叶いますようにと、2人が願いを込めてくれたもの。


2人の願い…。

(優しい男の人と結婚して、幸せな家庭を持てますように…。)

両親の願いは、今、叶ったのでした……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ