子供のための絵のない絵本。。。観音魔法
人は誰もが仏様で菩薩様だと主人公をみていると私はおもいます。
この作品は実話を元に記載しました。
※宗教関係者の皆様には不愉快な文面があります。承知の上でのみ御覧ください。
小学生でも読めるように書いて行きます。
【観音魔法】
観音さん正式名称は観世音菩薩といいます。
その昔は1番上の位の正眼法仏と言う仏を長い間していましたが1番上の仏では次の位の菩薩や仏の姿や声の聴こえ仏になることが決まっている縁覚と言う位の方々や仏の声が聴こえる声聞と言う方々に教えるのがお仕事になってしまって、本当に助けないといけない方々を助けられないとおもいました。
例えば。。。助けてあげないと長い長い間地獄に行かないといけない人々もいます。
例え地獄に行ってしまっても助けてあげることで救える人々もいます。
どうしてか。。。それは全ての人々の心の中に仏になる種がちゃんとあるからです。
だけど種が成長して華が咲くのはとても難しいのです。
お水が足らなくて枯れかける人々も沢山いますしお水のやりすぎで根が生えないで枯れかける人々もいます。
だけど仏の種が枯れて消える人はいません。
この種の正体が魂だからです。
だから全ての人々が仏になるまで観音は仏にならないときめたのでした。
観音は。。。助けたい、しかし全ての人々を助けることはしないのです。なぜならば悪いことや仏の教えを守らない人々は何度助けても同じことを繰り返し「私は助けなんて求めていない。。。勝手にたすけただけ」と言うひともいるかもしれません。
そのように思うとかえって仏への道は遠くなってしまいます。
そこで条件を考えました。遠回りのようで近道だからです。
それは、
【観音様に助けてと疑わないで思うことです。】
強い心で祈れる人は、仏や観音菩薩を信じることのできる人は。。。目に見えない不思議なことを信じることのできる人だから、悪いことを繰り返すことをしなくなることを観音様は知っているからです。
だから安心して祈ることの出来る回りの人もたすけます。
良い人が居れば回りの人々も見習って良い人になるからです。
それにしても
もう何千年もお仕事をして観音様は疲れてしまいました。
しかしこの世では相変わらす自分勝手な思い込みで他の人を傷つけたり暴力をふるう人も沢山います。
観音様の思うように仏になる人もいません。
仏の国では、次の仏を育てる仏も少ないので観音様にそろそろ仏に戻って助けて欲しいと他の仏様からお願いされています。
長い。長い間観音様は頑張って来ましたが、もうエネルギーが切れかかっていて仏の国でエネルギーを入れて元気にならないといけないと観音様は思っています。
観音魔法も後一度くらいしか使えません。
今度の魔法を使ったら観音としての仕事は終わりにしようと沢山悩み観音様は決めました。
最後は何処に、誰を助けようと考えていると小さな声が聴こえてきたのです。
「由佳を助けて」「観音様由佳を助けて」と
珍しい大抵はお金がほしいとか素敵な彼を見つけられるようにとか自分勝手な願い事をするのだけれど
観音は一心に願う声は聴こえるのは知っているよね。
その声は小さな島から聴こえてきました。
観音にはこの島には思い出がありました。
この前はこの島に来た時は寝ている時に起こされたのです。
「八幡大菩薩、僕を何故に助けない」と怒鳴られたのです。この国では八幡大菩薩を観音様だとこの島の人々は昔は思っていたのでした。
観音はこの男を助けました。
この男は仏と今でもこの国では言われています。観音にとっては、ちょとだけ嫌な思い出です。
観音様が男を助けたのは間違えではありませんでした。
男は島に流され普通なら不安で不安で悪い心で暴れたくなるのに
男は、罰として連れてこられた島で死んでしまって骨だけになった多くの人々の為にお墓をつくりお祈りをしていたのです。
その姿は仏です。
だから仏と言わて当然なのだけれど
世の中は違う考えで男を仏と呼んでいるのです。
それは男が「僕の言っていることを信用しないとわるいことがおきる」と言ったことが当たってしまいそのことで男は仏を言っているので男の気持ちに関係なく戦争まで考えた人々もでてきたのでした。
観音はとてもとても寂しく思ったのでした。
観音は呼んだ人を直ぐにみつけました。「あれ」楽しそうに歌を歌っています。
「勘違だったね?」観音様は思いました。
「助けてあげて」と呼ばれた由佳と言われる人を捜してみましたがやはり
楽しそうに笑っている。
おやつやジュースを飲んで楽しそうなのは間違いありません。
「やはり勘違いだったね。」
観音様がその場をはなれようとした時に観音は「あれ」とおもいました。
身体が強い力で押さえつけられ動かないのです。
しかし悪い力で押さえつけられたのではありません。
観音様にすがるような優しい力です。
観音様はおどろぎした。
なんてことだ。「仏でもそんなことは出来ないのに」観音様は思いました。
こんなことは、はじめてでした。「まぁ良い。まだ時間は沢山ある」観音は、思いとどまり由佳の心を覗くことにしたのでした。
心を覗いた観音はとてもショックを受けました。
「心がない?」
「正確には心が感じられない‼凍っている‼」
なんてことだ観音様は慌てました。「全くきがつかなった。どうしてなんだろう」
観音様は、この集まりの他の二人の心も見てみることにしました。
【京子】
「よかった元の由佳に戻れて」
観音様は、もう少し京子の思いをみてみます。
京子と由佳の歴史がハッキリと見えます。
京子は由佳に感謝をしています。
きっかけは「お金貸して」不良グループの一員の京子が由佳を恐喝(脅かしてお金や物を手にいれる犯罪)しました。
由佳はいつもと変わらない笑顔で「いいよ」と気安くお金を貸したのでした。
それからの由佳の行動が京子を苦しめたのです。
毎日京子の顔をみると「お金返して」「お金返して」と言います。
あきらめると思って、「明日ね」次の日も「明日ね」毎日の繰り返しです。
ついに不良グループの京子でも中学生です。由佳の毎日の「お金返して」に負けてしまいました。
「あんただけだよ。。。他の人には内緒だから」と京子は由佳にお金を返したのです。
これが間違いでした。
京子は由佳に負けたのです。
由佳の顔がとても怖い顔になりました。
不良仲間や親や先生よりもです。
由佳は京子の為に本気で怒ります。
「お金を馬鹿にするな!親が必死に働いて。。。
嫌なことがあっても頑張って私達の為に仕事をして稼ぐのよ。
その大切なお金を貸してと京子は言った。。。友達に頼むしかないくらい。。。親に相談できないくらい困っている。
だからお金を貸した。
京子が他の友達にお金を借りて返していないことも知っている。
だけど本当に困っていたら可哀想だからお金を貸した。
京子。。。京子は、お金を恐喝することが癖になっているよね。
みんな京子が恐くて逆らえないのをいいかとにしているよね。
京子は犯罪と思っていないけど京子のしていることは犯罪なのよ。
私が先生や警察に言いつける。
最初は親が呼ばれて叱られる。
繰り返したら施設に。。。少年院に。。。年齢が高くなれば刑務所に。。。そんなことを繰り返すつもり?
今がチャンスよ。
お願いだから、ね。ね。。。京子は世界でたった1人。
そのたった1人の京子は私の友達。
だから、ね。ね、悪いことはやめようよ。
哀しいことは教えてね。一瞬に泣けば半分になるよね。
嬉しいことも教えてね。嬉しいことは倍になるよ。」そして由佳は京子が苦しいくらいに抱き締めました。
いつもの京子なら「ナメるな馬鹿にして」と殴りかかるかも知れません。
しかしその日は違いました。
身体から何かが抜けて行き力が抜けていきました。
そしていつしか京子も一緒に泣いていました。
京子は、かわりました京子の不良グループも小さなグループは大きなグループになりました。
小さな親切をするボランテァグループに
「あの時に由佳がいなければ。。。」京子は由佳を誰より尊敬し感謝しているのでした。
観音は感動して目頭があつくなりました。
観音様は自分を呼んだもう1人の雅の心も見てみることにしました。。
雅は由佳とは幼なじみです。
由佳にとてもあこがれ、由佳をスターのように思っています。
由佳が雅の記憶に登場するのは幼稚園の年長です。
二人の家は隣り合わせで母親どうしが姉妹です。
雅の記憶では雅の持っていたガラスで由佳の目を傷つけてしまったところから始まります。原因は雅の心が忘れようとして見えません。
観音様も無理をして見ないことにしました。
けれど由佳の上まぶたのキズが残っているのが証拠です。
傷つけた時に由佳は「大丈夫、このことは二人だけの秘密だよ」とって雅を抱き締めた。
失明の心配もあったようだが視力は回復したのが雅にはとても嬉しいことでした。
それ以来由佳は一度も目について触れたことはありません。
由佳は美しい顔立ちで頭が良い。スポーツ万能で明るく人気がありました。
それでいて優しい。雅にとって由佳はプリキュアなのでした。
雅と由佳は何時も一緒の親友です。
そんな由佳でも小学4年で登校拒否になりました。
原因は苛めです。
雅はなんとかしたかったけれど何も出来ませんでした。
今でも後悔しています。
でも仕方ないこともわかっています。
苛めた相手が担任の女教師だったからです。
大人の先生です。
雅には無理でした。「でも、もし苛められたのが私だったら由佳はきっと。。。」そんなことを今でもおもいます。
雅の考えでは原因は由佳への嫉妬です。
由佳は半年間の登校拒否
をしました。
五年生になりクラスが代わり担任が代わったことをチャンスに由佳は登校拒否を辞めたのを雅は覚えています。
「あんな教師でも習わないと勉強で解らない所が出来るから仕方がない。」
由佳の言葉に雅は驚きました。
この頃から雅にとって由佳は、友達から雅の憧れの人になりました。「私達とは棲む世界が違う」人だと
由佳の成績は登校拒否の時期を除きオール五だったのも雅が憧れた1つだったのかもしれません。
由佳は中学生になり放送部に入りました。
小学生の頃から由佳はバレー部に入っていて
雅は塾で「雅の学校には全国グラスの凄い選手がいるね」と言われ。。。凄い選手が由佳とわかった時は凄く自慢だったので中学でも当然バレー部に由佳はバレー部に入ると雅は思っていました。
でも違ったのに驚いて由佳に聴きました。
「何故?バレーをしないの」
その時の由佳の答えは「これ以上デカくなりたくない。雅のように可愛い女がよい」と
雅は嬉しかったことを覚えています。
放送でも由佳は全国制覇を成し遂げます。
しかし雅は知っています。
由佳は努力で勝ち取ったのを
由佳の姉が「由佳は声質が悪から放送は無理」と言われているのを
そして雅自身が由佳の練習相手だったから。。。間違えなく由佳は誰より練習していたことを知っているのです。
表彰式の直後に由佳は雅に駆け寄りメダルを雅のくびにかけました。
「二人でとった賞よ」と。。。もしかしたらこの瞬間の為に由佳は。。。「喜びは倍になるよ」。。。私へのプレゼントの為に。。。涙が零れました。
雅の始めての嬉し泣きだったのです。
由佳の全国制覇のご褒美は県下で2番目の学校から誘いでした。
しかし由佳はあっさりと断ってしまいました。
姉がその学校の教師だったのも理由の1つだったかもしれないけれど雅には「つまらない大人達」と
せっかくの賞が汚れると思ったのか姉への反発だったのか雅にはわからなかったけれど由佳が怒っていたのは間違えありませんでした。
由佳の決めた進路は県下で一番の高校への挑戦です。
担任から滑り止めを受けるように説得されましたが由佳は滑り止めは受けなかったのです。
お金がもったいない。
「滑ったら就職しま~す。」と他人事のように担任に伝えたのです。
由佳の家は決して豊かな家庭ではありませんでした。
姉は私立の大学に通ったので由佳の選択は他になかったのかも知れない。
何より「背水の陣」逃げ道をなくして闘う由佳の好きな言葉を実行したと雅は考えてました。
由佳は見事合格しましたがその後は普通の人生を歩むことになります。
天才の集まる集団に入った彼女の成績は普通でした。
由佳は雅に「みんな化け物ばっかり。。。さすが目指せ東大君たちには敵わない」と笑います。
やればできた。
と雅はしんじています。
でもそれは無理だったとも。
独学の限界
彼女の家庭環境。
塾や家庭教師も与えられないだけではない。
大学の入学金のためと野球場で売り子のバイトをしていました。
天真爛漫の由佳「お兄さん。。。美味しいお弁当ですよ。騙されたと思って」と売り
「騙したやった」と笑顔で雅に話してくれました。
バイトの売上はNo.1を続けたとか。。。「歩合制だからうちに来ないか?」とライバル会社から誘われたが即答で断ったとも聴きました。
「お金だけじゃないよね。。。私を誘ってくれた先輩にわるいもんね」と
大学は教育大へと進む
小さな時からの夢の実現
子供を守る教師になること
大学卒業後比較的にはやいじきに由佳は結婚しました。。
大学の先輩と大恋愛の末での結婚です。
世界中が祝福しているように雅は思えました。
由佳の就職は地元のミニ放送局です。
ちょと立ち寄った。
開局前の放送局に先輩がいたから
暫くして先輩から連絡があった。「ちょと寄ってほしい」と
行った時に就職は決まっていました。
「手伝ってほしい」と
彼女は教師になる夢を捨てます。
「望んでくれる人がいるのだから一番それがよい。運命だから」と
誰もが羨む幸せな日々が続きます。
旦那は中学の教師
男の子も産まれました。
10年の歳月が流て
何時ものように
「いってらっしゃい」と旦那を送り出しました。
今も代わらず仲良し夫婦
今日から旦那は臨海学校
しかし2度と旦那は帰って来なかったのです。
何千回に一度あるかないかの大波に生徒がさらわれます。
助けようとして旦那は海へ
生徒が助かったのが救いだった。
美淡としてマスコミは伝え沢山の報道陣が家の回りを取り囲みました。
ネットでは誹謗中傷も
呆然としながらも由佳はは喪主として耐えます。
お葬式の時は「子供が助けてくれるのだから大丈夫」と言っていたのに
由佳の心は壊れたのでした。
人のススメでカウンセラーも受けたが由佳は馬鹿にしてしまいます。
「何もわからない癖に」「私の心はわからないでしょ」
由佳は子供達を守るために大学でカウンセラーの勉強を人より沢山学んでいます。
カウンセラーに「私ならこのようにアドバイスをしますが」平然と言ってのけカウンセラーも納得する内容でした。
学んだゆえの由佳の不幸でした。
「ねえ~由佳を励ます会をしない。。。」京子が雅に連絡して今日の集まりは実現しました。
一部始終を見た観音は涙しました。
私の最後の仕事は彼女を仏国へ連れて行くことにしょう。
彼女は仏法を冒している。
このままでは地獄だ。
しかし例外がある。
観音の魔法です。
仏国の約束事。
彼女が何故?
地獄へ
釈迦の教えを広める人々を馬鹿にしたからです。
「自分達と違う教えだからと仏壇を壊し焼くそんな宗教は偽物。。。人に寄り添い救うこともしない宗教なんて消えたらよい」と宗教団体の集会に頼まれて参加したのに人々を非難した。
火事で何度も焼かれた観音像を「自らも守れない仏像なんて御利益がない」と切り捨て。
「神に救いを求める神など似非だ」と言ってのける。
残念だか罪は重たい。
カラオケでの会話は続く
「由佳が元気でよかった」と京子
「当たり前よ。もうすぐ一年よ。再婚もしないとね」
止めどない会話は続く
雅はうつむき涙をこらえている。
雅は来たくはなかった。由佳を励ます自信がなかったから。。。なんと話せば良いかわからなかったのです。
雅は聴いていたのです。由佳の母親から「旦那の名前を聞くだけで涙がとまらなくなる」と
観音は雅に勇気を与えることにしました。
雅の心のうちを言葉にさせたのです。
「由佳ダメよ。しっかりして子供の為に死ねないなんて思っちゃダメよ。何時も言ってくれたじゃない。
かけがいない友達でしょ。なんでも言って、私に心の悲しみを分けて、悲しみは半分になり喜びは倍になるって、いつも由佳が言ってくれてたよね。
お願いだから私に言ってよ。」
言葉にならず嗚咽の中で彼女は叫んでいました。
そしていつも由佳がしてくれていたように雅は由佳を強くだきしめたのです。
バグされる由佳の瞳から一筋の涙が零れ止めどない大河と代わった。
訳の解らないままの京子も一緒に泣いていました。
3人は声を出しなき続けました。
心の溶け始めた由佳の回復は、はやかった。
カウンセラーの臨時教員となり真正面から子供や保護者と向き合います。
由佳自身の深い悲しみを語ることが人々の心を溶かします。
子供が変われば保護者が変わり。保護者が変われば地域が変わりました。
彼女は中学生時代の魔法を使ったのです。
不思議なことがおきます。
町の治安すら変えてしまったのだ。
地元の先生と呼ばれる政治家が町がよくなったのは俺のおかげだと上段から叫んでいますが事実を知る人々はしらけました。
由佳のことを子供たちは天使のおばちゃんと呼ぶのです。
先生ではありません。
由佳の目線がそう言わせたのです。
彼女の目線の高さは子供たちと同じです。しゃがんでぎゅっと抱き締めるのです。
由佳を知る人は由佳の復活を涙して喜びました。
一番喜んだのが彼女の義母であった。「こうちゃんも心置き無く天国へ旅立てる」と
月日は流れ由佳も四十代後半となっていました。
子供も成長して結婚して孫もできた。
とても幸せな日々が続きます。
今日は息子夫婦が孫を見せに来てくれる日。
息子とお嫁さんが話し合い名前は「こういち」とつけてくれました。
旦那と同じ名前
ウキウキして家路を急ぐ
。。。けたたましいサイレンの音
彼女のマンションの前だ
7階の彼女の部屋に火の手が回り窓から火が噴いている。
半狂乱で叫ぶ女
「息子が部屋に」
由佳が眼を瞑る
「大丈夫生きている」
彼女はマンションに入って行く
誰も止めない。
いや誰も止められない。
身体が動かないのです。
彼女は真っ直ぐ只上に昇って行きます。
戸をあけると火が噴き出すが彼女を恐れるように火が避けます。
床に倒れているこうちゃんを抱き抱えベランダに進む由佳
下に向かいなにかを叫びこうちゃんを力の限り投げます。
こうちゃんは風船のように消防隊員の腕の中へ
拍手がおきました。
その瞬間に彼女は火に包まれ消えたのでした。
観音は彼女の魂の横にいます。
「何故?私を呼んだ。もうお前を仏国へ連れていけなくなったじゃないか。何がカンチャンこの子を助けてだ」「何時から知ってた」
彼女は笑った。観音も笑った。
「あなたのことは何となく知ってたよ雅があんなことはいわないから」
「それに。。。。たぶん。。。いいや」「あっそうだ」
「前から気になってたの何故?観音像は何度も焼けたの?気になってたの」
観音は答える。
「お前と同じさ子供たちのためなら熱くもなんともないからね」
「そっか、やっとわかった」で「私はどうなるの」
「地獄に逝くよ。でも心配いらないから向こう岸から観音の名を呼んでおくれ直ぐに助けに行くよ。それが仏と私との約束事だから仲間も一緒に連れていけるから良い心根の人を頼むね」
「へぇ~凄いんだねカンチャンは・でも私はたぶん呼ばないよ。退屈そうだから、でもいきたい人がいたら呼ぶかもね。そして・誰も居なくなって寂しくなったらよぶからね。だから長生きしてね。」とウインクした。「あ!最後のお願い。私を赤ちゃんにしてくれない?天使のおばちゃんはちょとね」
そう言い残し彼女は地獄に旅立ちました。
その後の観音ですが彼女との約束を果たすため仏への依頼は辞退しました。
そして日々生命の泉で魂を磨き観音魔法を高めながら彼女のような不幸を繰り返さないように仏国の裁判所の顧問となったのです。
今日も1人やって来ました。
百まで生きた老婆です。
この老婆は仏を信じず科学絶対主義者です。
確かに人類は神仏の領域まで科学が進んでいます。
しかし老婆は異常です。
それを誰にでもいい自らの主張を押し付けます。
子供にとっては親は絶対です。
そして子供たちも
そしてその子供たちも連鎖はとまりません。
地獄行きの命令書に観音は筆を入れます。【浮幽霊】と
「この女を地獄へ送ってはなりません。また人間界に戻り同じことを繰り返すので・仕方ありません。浮幽霊として漂わせます。
この女は気がつかないでしょう。
思い込みは彼女の得意技ですから」
仏国の裁判所は忙しい。日々沢山の魂がやってくる。
魂は天使が連れてくる。
天使は産まれて直ぐになくなったりまだ悪に心に染まらない子供たちが天使となり新たな生命を見守り一緒に成長するのでです。
人間が生死を繰り返し成長し仏に近づくのと似ているのです。
天使の仕事は人の一生を見守り最後に魂を天国の裁判所に連れてくるですがもう1つだけ人間界で虐待などによって生きながら人間界で地獄と定められ苦しみを乗り越えることが難しい子供たちを救いだし天国へ連れて返り天使として育てるのも天使の大事な仕事です。
ところが天使の手紙を持っててやってきた魂があったのです。
それは天使の仕事ではありません。天使は罰を受けることになるのです。
天使の手紙には
「この男は小さな時から言葉の虐待を受けていました。本来なら天使として育てる存在だったかも知れません。
しかし男の可能性にかけました。この男の父親は個人商店を営んでいます。
だから跡取りとしての役割もありました。
病弱の彼を父親は低能と呼び捨て蔑んでいました。
しかし彼は父親の命令に従い懸命にはたらきましす。彼の学歴は珍しい中学卒です。
働き者の低能は人々に認められましたが父親は道具としか考えていませんでした。
彼の結婚は40歳
訳は彼に結婚の話しがあれば父親が握り潰したからです。
しかし得意先の重役から娘を嫁にとの話しが
父親は困った。
全てがバレる。
仕方なく親戚に頼み結婚させました。
父親といえば高級車に乗り日々贅沢三昧の日々
警察犬。欄栽培。高級熱帯魚。等趣味を楽しみ投資として割烹料理屋の運営をしたが全て失敗し全ては低能と呼ばれる彼が全ての責任をとらされます。
月日は流れ借金は返済されたころ彼が倒れます。父親は父親によくにた弟を彼の代わりに経営者とします。
しかし誰も相手にしません店のお客さまも少なくなりました。
低能は自らの引退を条件に会社を同業者に譲ることに決めます。
弟と両親の生活の保証を条件に。
同業者は彼の残留を望みましたが彼は断りました。それは弟が彼に暴力を振るうからです。低能は鍛えられた肉体の持ち主ですから返り討ちにできますがこれが両親にまた世話になる人々に向けられたらどうすることも出来ません。
弟を自らの手でクビに彼には無理な相談でした。
彼にはなん10年もかけた積み立ての保険がありました。
だから当面の生活には不安はなかったのです。
給料ない彼の代わりに両親が退職金として年金なんてあてにならない。だから年金すら彼はありません。
しかしウソでした。保険は低能が死んだら後々両親が老後を楽しく過ごすためのものでした。
退職日に両親から言われ受け取り人名機の変更手続きまでさせられ。。。「結婚して同じ家に住まないのは家族ではない。」とまで言われました。
結局彼は全てを奪われ立ち去ります。
しかし彼の不幸は続きます。
癌です。
高度医療なら助かると医者は言いました。
しかし彼にはお金がありません。
子供も高校生で大学にお金もかかります。
奥さんにも大変な苦労をかけてしまいます。
沢山ではありませんが妻と子供のために死亡保険があります。テレビで「おとうさんありがとう」と放送しているCM を涙をこらえてみていました。
そして彼の選択は自ら命をたったのです。
重罪です。仏さえ死ぬまで裁かないのに。
しかし彼の魂は少年のまま汚れていません。どうか寛大な裁きを」
読み終わった者たちは口々に話します。
「確かに気の毒だ軽減して7つある一番軽い地獄にしては?」「ダメだルールを変更したら大変なことになる。」
「人間界にもどしては?」
観音は「優しい天使」と呟き
投票結果を発表します。
「地獄8人間界2菩薩界1よって彼は菩薩界に決定します。」と
観音は静かに語ります。「釈迦は腹を減らした虎にそのみをあたえ菩薩となった。虎は人の味を覚え人々を襲うようになったにも関わらず。慈悲深い行いが評価されてのことです。」
「彼はどうでしょうか?彼がいなければいったい何人の犠牲者が出たことか?相手は救うことの出来ない人の仮面を付けた化け物です。けれどもう獣たちは人の肉を食らわないでしょう。奴らはもうお金というもので一生暮らしていけるし年寄りです。
彼は猛獣達に自らの身を与えたのです。犠牲者を出さないためにです。
釈迦より慈悲深いこの男が逝くのは菩薩界しかない」
皆は納得しました。
今日は仏国のお祭りです。
新しい仏が誕生したからです。
新しい仏は釈迦の教えを広め沢山の塔を建てました。
仏達は新しい仏の話しをしています。
「釈迦の予言なら彼が弥勒になるのだけれど?」
「それなら菩薩の時に人間界の全ての人々を救うのだけど」
「見た目も下品だね。」
「あれくらい人間に近くないと救えないのでは、沢山の菩薩を従えているのは間違えないのだから」
迷う意見もでたけれど釈迦の推薦なら間違いないだろうと全員一致での仏と決めました。
ひさしぶりの仏の誕生でした。
釈迦と共に座る仏には風格があります。。
新しい仏の身体は世界各国の勲章で飾られ・きらびやかです。
新しい菩薩も無数にいます。。
新しい菩薩は新しい仏にひれ伏しています。
今までにない姿です。
新しい仏は美味しそうに赤い飲み物をのんでいる。
仏の権威が高まったのか?
それとも。。。観音は静かに席を立ち去りました。
地獄に行った由佳
を観音は気にしていた。
あれから15年地獄からは観音を呼ぶ声すら聞こえない。
年に1・2度は呼ばれていたのに
由佳からの連絡もない。
観音は地獄を覗く
そこにはあってはならない光景がありました。
地獄から天に向かい光りが射しているのです。
観音はびっくりして地獄に飛んでいきました。
あれ地獄の様子が全く違います。
地獄は、あるにはあるが一階から六階が平面となり針の山には木々が育ち鳥が囀ずる。
魔物を焼く鉄板は橋になり血の海はマリンブルーで魚たちが心地良さそうに泳いでいる。
いたたまれない匂いは消え爽やかな森林の香りです。
多くの美男美女が寄り添い
暖かい雰囲気に包まれている。
仏国より素敵な場所になっているかもしれません。
観音は驚き人々に尋ねる。「地獄に何がおきたのですか。。。いったい誰が」
人々が親切に答えます。「マリア様のおかげです。アラーの神の。キリストの。観音様の。弥勒様の無限の魔法のおかげです。」神仏の頂点の方々の「おかげです」と言う。。。自分の名前も言われ驚かされます。
「全ての人を仏国へ全ての人を仏に」観音の願いとは違うけれど。。。此処は間違えなく仏国だったのです。
観音が立ちすくんでいると1人の心美しい女性が近寄ってきました。
「あなたもさぁあの一番端にお並びください。あなたの心をお救いになる女神様がいらっしゃいます。」
観音は驚いた。女も成仏している。
「夢をみているのだろうか?信じられない。」
観音はテレパシーで閻魔を呼んでみました。
閻魔は直ぐに跳んできました。
「これは?いったいどのようになったのだ」
観音が尋ねます。
閻魔は困った顔をしながら何故か満面の笑みです。
「一緒に参りましょう。みていだかなければ理解出来ません」
観音は閻魔の後に従った。
やはり地獄の端に着くと異臭がながれている。
それにしても極悪非道の亡者たちは争うことなく順番待ちをしています。
観音は亡者に尋ねる。
「何故?お前達は争わず並んでいる」
亡者が答える「だって姫様が泣きながら叱られるから。。。姫様の涙には勝てません」と照れながら話しをする。
話しを聴いている他の亡者も頷いている。
観音は閻魔に「何処に行くのだ?」と
閻魔は「はい。無間地獄でございます。」
確かに光りは無間地獄からだ。
「他の地獄は消えました」と閻魔は続けた。
観音は閻魔に案内され無間地獄へ飛んだ。
やはり無間地獄だ鼻に異臭がつく
その中を亡者たちが並んでいる。
足下には清流がある。奇妙な光景だ。
閻魔が小さな祠を指で差します。
恐ろしく全てを焼き尽くす地獄の火が優しく祠を照らしています。
地獄の火すら従えているのか?観音は感じた。
祠から水がながれている。不思議なことに美しい光りも水中から発している。
祠から美しい心の持った青年が出てきた。
青年も〔成仏している〕此処は地獄なのに。。。これは。。。もしかしたら「弥勒の奇跡」
観音は思ったが打ち消した。
菩薩や仏ごときが出来ることではない。
祠から声が聴こえる。「閻魔ちゃ~ん何か飲み物をくださ~い」
閻魔はニタッと笑い「は~い」といそいそ水を持って祠に消えた。
観音はそっと祠を除く。
少女が亡者をしかり。そして抱き締めている。亡者の目から涙が溢れ少女の目からも涙が溢れる二人の涙が重なっ瞬間に涙は七色に光り亡者を癒した。
「美しいでしょ」いつの間にか閻魔が近くにいた。
「不思議ですね。
奴らは成仏しているのに地獄を離れないのですよ」
観音は当たり前だと思った。「やつらの浄土は」といいかけやめた。
そして閻魔に言った。「おまえが一番知ってるよな!はなれられないのだから」
「確かに」閻魔は笑った。
あの恐ろしい閻魔からは一番最初に由佳に会い去ろうとした観音を動かなくした優しい強い思いを感じた。
完
主人公は生きています。そして今も旦那様の名前を聴くだけで涙が止まらなくなるそうです。
仕事も出来ず、子供の為に心を閉ざして生きています。