第一話 自衛隊、特地へ・・・
GATEに似ているかもしれませんが、最初の部分だけだと思います。何だか分からないけど、似たようなタイトルあった気が・・・
「こちら、C-2、1番機、離陸許可を。」
「こちら管制塔、C-2、離陸を許可する。」
「了解、これより離陸する。」
20××年 日本時間12月7日午前6時30分
航空自衛隊所属のC-2輸送機6機が、陸上自衛隊所属、第1空挺団を乗せ、敵の主要砦に向けて、朝日を背に飛び立った。
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20××年8月18日土曜日 午後1時15分 東京 新宿三丁目北交差点
この日は、良く晴れた、雲1つ無い真夏日だった。この時間帯は、家族連れ等の多くの人が行き交う時間だった。そんな中に、この日非番の陸上自衛官、嶋野孝喜二等陸尉(26)がいた。彼はこの日、新宿ピカデリーに自分の好きなアニメの映画を観に来ていた。彼は、アニメ好きではあるが、オタクではないと主張する。しかし、周りの人間は、オタクだと思っている。いくら弁明しても、理解してもらえないのだ。
映画を観終えた嶋野は、散歩も兼ねて、新国立競技場の方へと向かっていた。
「にしても、暑すぎだろ、今日。ピカデリーめっちゃ涼しかったのによー」
午後1時23分 新宿三丁目北交差点に現れた『ソレ』から、この世に存在しないはずの生き物(ドラゴン、獣人)、兵士等が現れ、武器を持たない一般市民を虐殺していった。
「ったく、騒がしいな。ドラゴン程度でなに騒いでんだか・・・・・」
・・・・・ん?ドラゴン?
そう思い、嶋野は左に首を向けた、するとそこには、地獄が広がっていた。
「な、何だこりゃ?警察は何をしている。」
嶋野が辺りを見回すと、そこには一般市民を守ろうと、銃を取り出し、攻撃している警官を1人見つけた、彼の近くには、同僚であろう警官の首の無い死体がころがっている。彼は確かに1人、ドラゴンに乗っている男を倒したが。既に傷を受けていたらしく、腰の辺りから出血していた。
「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
「そ、そこの、市民、の、方を、お願、いしま、す。」
しかし、声をかけるとすぐに息絶えてしまった。
「大丈夫ですか?直ぐに移動しましょう。御苑なら人を収容できるはずです。そこに向かいましょう。」
嶋野がそう言うと、女性はコクリと頷いた。
・・・今俺達が居るのは新宿三丁目交差点の交番前だから、このまま真っ直ぐ行けば御苑に入れるはず。恐らくそこに警備員も居るだろうから、そこで許可を取れば多くの人を収容できるはずだ。
午後1時53分 新宿御苑前
三丁目方面の門では、恐らく警視庁から飛ばしてきたであろうパトカーと、それに乗ってきたであろう警官達が全体に呼び掛けていた。
「新宿御苑に収容することは、指示があるまで出来ません。落ち着いてください。皆さん、冷静になってください。」
「ふざけるな!すぐそこまで奴等が来てるんだ!」
「この子だけでも良いから中に入れてください!」
「「早くいれろ!お前らは市民を殺すのか!」」
等と様々な言葉が飛び交っていた。見かねた嶋野は、警官達に近より。
「おい、まだ本部からの連絡は来ないのか?」
「今問い合わせている所です。貴方も下がっていてください。」
「こんなとこに大人数で固まっていたら、皆殺られる!ここから南東方面の新国立競技場に半分くらいの人を移動させた方がいい。本部にすぐ連絡。後、防衛省にも繋いでくれ。」
「貴方は、一体・・・」
「今はそんなのはいいだろう。」
「何故防衛省に連絡を?」
「それは後からわかる。」
「巡査!」
「はい!なんでしょう」
「本部からだ、新宿御苑と、新国立競技場に避難民を収容せよ、とのことだ。」
「了解しました!警部!」
「それと、防衛省に繋がった。あなたに代わりましょうか?」
「お願いします。」
「分かりました。どうぞ。」
「有難うございます。・・・・・防衛省ですか?陸幕長に繋いでください。・・・はい、至急です。・・・・・・・・どうも、私は、練馬駐屯地第一普通科連隊所属、嶋田孝喜二等陸尉です。現在、新宿御苑前にて避難民の誘導中、この付近に敵が来るのも時間の問題です。現状はそちらでも把握していると思いますので、普通科の支援を要請します。・・・はい、了解しました。この場で待機します。・・・はい、了解です。通信終わります。」
「陸上自衛隊の方だったんですね。」
「あぁ、だから後から分かるって言っただろ?」
「頼もしいです。」
「だったらいいが・・・・・本部から何か連絡は有ったか?」
「つい先ほど、内容は、SATがこちらに向かっているとの情報でした。」
「他には?」
「後は、陸上自衛隊の普通科が練馬、朝霞よりこちらに向かっているとの連絡が、他にも、防衛省に連絡を入れる前に木更津駐屯地から、AH-1Sが4機向かっているとの連絡が入りました。」
「そうか、助かった。」
すると、SATの部隊が到着した。隊員からの連絡によると、普通科は凡そ10分後に到着するそうだ。
『こちら一番機、二、三、四番機、発泡を許可する。』
『二番機了解』
『三番機了解』
『四番機了解』
『各機、ターゲットをロック、目標を落とせ。』
『『『了解』』』
陸上自衛隊所属のAH-1S、コブラがSATの到着とほぼ同時に新宿上空に到着した。彼等は、新宿上空を飛び交うドラゴン達の撃墜任務に当たっていた。
「嶋野二尉、SAT部隊は、練馬、朝霞の普通科が到着ししだい、合同で攻撃に当たります。」
「了解しました。って、いちいち俺に報告しなくてもいいよ。」
「ですが、自衛官の方ですので・・・・・」
「自衛官っていっても、今日は非番だから、今はただの1市民に過ぎないよ。」
「・・・分かりました。」
「分かったならよし。・・・・・・・お?来たみたいだ。」
そう言って嶋野は首を右に向けた。
するとそこには、嶋野の見慣れた車両が15台ほど止まっていた。
見慣れた車両からは、自衛官が武器を持って降りてきた。
そして、近場で構え、SATとタイミングを合わせて撃ち始めた。そこからはあっという間だった。敵の兵士達は、薄い鉄の盾に鉄の鎧、そして、弓か剣の装備であったために、直ぐに片付いた。
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新宿の事件から3日後 8月21日 正午
嶋野は防衛大臣から、賞与を受け取った。又、新宿の事件の際の功績を称えられ、二等陸尉から一等陸尉に昇級した。
防衛省は、ドラゴンの鱗で殆どの弾丸が弾かれ貫通しない事が分かった。その為、派遣が決定した際に今年陸上自衛隊に新設された第一メーザー特科隊を派遣するか話し合いをしているらしい。
又、政府からの要請により送られた先見隊からの情報によると、奴等が出てきた扉の向こう側には、平原が広がっているらしい。その平原から北西に70KMほど進むと、村があったらしいが、先見隊の現地住人との接触は禁止されていたため、これ以上の情報は得られなかった。
政府は今、陸空自衛隊を向こうに派遣する法案を設立しようとしてるらしい。
俺は行きたくないな~、絶対に!
数時間後、嶋野の部屋の
「テレビじゃどこもかしこもこの前の事件と俺のニュースばっかり、嫌になるよホントに。」
そう言って嶋野は、部屋の電気を消し、眠りに入った。
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翌日 8月22日 午前11時30分
防衛省にて、嶋野の所属する、練馬第一普通科連隊第一普通科中隊、重迫撃砲中隊、又、各方面からのヘリコプター部隊、航空自衛隊入間基地第二輸送航空隊、航空自衛隊百里基地第501飛行隊及び第305、302飛行隊のパイロット、整備士、その他に、朝霞第三十二普通科連隊第一、第二普通科中隊、第三戦車隊の自衛官、今年から新設された第一メーザー特科隊所属の自衛官が召集された。
まぁ、召集された理由は大体分かるんだけどね。・・・・・てか、人多いな。よくこの人数入れたな、って、入れようと思えばそれくらいは入れられるのか、余裕で10000人越えてるぞ!・・・・・・・多分な。
すると、山中首相と、黒谷防衛大臣が現れ、話し出した。
「我々日本政府は、『扉』の向こうの特地を一時的に、日本領土とし、特地に対して先見隊を派遣、そこで僅かだが情報を入手した。しかし、我々は特地の実態を把握出来ていない。その為、我々は、陸空自衛隊を特地に派遣する。それについての詳しい話は防衛大臣から。」
「分かりました。先程、山中首相から話が有ったように、我々は自衛隊を特地に派遣する。其れに当たり、我々で指揮官を選ばせて貰った。これより発表する。まず、指揮官、岩田陸将、副指揮官、嶋田陸将補。以上だ、他の隊長に関しては、陸将から本人に特地で通達される。特地への派遣は一週間後、各自準備を怠らないよう。以上だ。」
「ご苦労。本日は以上だ。先程防衛大臣が言っていたように、詳しい話は特地にて陸将からされる。それでは解散。」
こうして、嶋野の願いとは裏腹に、嶋野を含む特地派遣隊が編成された。
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一週間後 9月1日 午前8時45分 新宿三丁目北交差点 『扉』前
異世界への『扉』の前に2列に並んだ自衛隊車両、その前には、特地派遣隊員が、そしてその前には岩田陸将が立っている。
「諸君、陸将の岩田だ。今回我々が派遣される特地は、未だ何があるか詳しく分かっていない。この前の事件の事を考えると、我々の特地到着と同時に戦闘開始という事が考えられる。今回の派遣は全派遣隊の半分に過ぎない、その為、現有戦力での対応になる。何が有っても良いよう、車内では臨戦態勢を整えておくように。又、到着後、我々は『扉』の回りに駐屯地を設置する。到着後は誰1人として失うな。私から言えることは以上だ。これより突入する。総員、乗車!」
こうして、嶋野達陸上自衛隊は、特地、異世界への突入を決行した。
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開けた『扉』の中は光で包まれていて、外から中を見ることはできなかった。しかし、『扉』を潜ると直ぐに特地にたどり着いた。特地は昼間だった。昼間ではあったが、寒く、特地は冬のようだった。そんな中、先行の90式戦車から全体に無線があった。
『前方に敵確認!距離、凡そ1500!』
嶋野達は、輸送車を降り、近場に身を潜めた。すると、岩田陸将から
『交戦を許可する。ただし、敵からの攻撃が確認できるまでは撃つな!以上だ』
その直後、敵が放ったと思われる矢が飛んできた、矢には誰1人として当たらなかったが、しかし、彼等が矢を放ったお陰で、こちらから攻撃する事が可能となった。こうして、陸空自衛隊の派遣隊は特地にやって来た。未だどの様な生物が生きているのか、敵は何なのか、全く分からない中、戦闘が始まった。
次回は、村に寄ります