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登校風景(2)

 ざわ……ざわざわ……ざわざわ……!

 

 な……なんだこれ?

 校門をくぐった俺とメタリカさんを、なんだか異様な騒めきが包んでいた。


 飛行魔法や風魔法や飛行魔器(フライトボード)を使って、校庭に降り立った学校の生徒たちが……

 後者に向かって歩いていく俺とメタリカさんを遠巻きに眺めながら、なんだかザワザワ騒がしいのだ。


「霧崎さんが……!」

「メタリカさんが……!」

「うそだろ、ウチのクラス委員長様が……!」

「男と一緒に!!」

 あーそういうことか。

 俺は校庭を見回しながら、なんだかいたたまれない気持ちになってきた。

 ザワザワの大半は男子の声だった。

 

 俺はメタリカさんの横顔をチラチラうかがいながら、黙って首をたれる。

 眼鏡の奥からキラッと光る銀色の瞳。

 風になびいた銀色の髪。

 遅刻で焦ってなければ、クールそのものな整った顔立ち。


 メタリカさん、可愛いもんなあ。

 いや、可愛いってゆうよりも綺麗(・・)って感じです。


 彼氏とか、いるのだろうか。

 いや、いないからこその、このザワザワ?

 転校初日の俺と、横並びで。

 涼しい顔をしてツカツカと校舎に歩いていくメタリカさん。


「あの……あの、メタリカさん?」

「黙っていてください。当然って顔していてください!」

「え、あ……はい……」

 オズオズとメタリカさんに声をかけようとする俺だが……

 メタリカさんは、すました顔をして、まったくとりあってくれない!


 ひょっとしてなんか……俺とメタリカさん……まわりに、変な誤解を……!?

 俺が妙な不安にかられて、もう一度メタリカさんの横顔を見た、その時だった。


「霧崎さん……! なんなんですか! その男わあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


 うおわっ!!!

 空の上から急接近してくる男の声に、俺は心の中で変なうめきを漏らしていた。


 ゴオオオオオッ!

 入道雲のわきたった9月の空から風を切って。

 太陽を背中にして飛行魔器(フライトボード)に乗った真っ黒な人影が、俺とメタリカさんに向かってものすごいスピードで降下してきた。





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