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プロローグ
「お兄ちゃん、どこ行くん?」
小さな女の子は眠たい目をこすりながら、出ていくお兄ちゃんに訪ねた。
「仕事だよ」
「まだ、夜やで?」
女の子はドアの隙間から漏れる月の光を見て、そう言った。
「ゆいはおとなしく待っていてね」
お兄ちゃんは、ゆいの頭をやさしく撫でた。
「…うん」
少しのためらったあと、ゆいはゆっくり頷いた。
すると、お兄ちゃんはドアを閉めた。
―――
「じゃあね、ゆい」
閉じた扉を見つめて、ささやく
次はいつ会えるのだろうか
空を見上げる。お母さんがいるであろう、空の向こうの国を探しながら
「お母さん 僕、15歳になったよ」
森に向かって歩きながら。バースデーソングを口笛で吹く
一人になってしまった自分を励ますように
突然、目の前の景色が、知らないものに変わった
これから、頑張って連載していくのでどうぞよろしくお願いします!
亀更新になると思うので、たまに見てくれると嬉しいです。
完結目指して頑張ります。
氷華が月夜sideで桜梨が結衣sideです。