第一話.理由は簡単。
かわけんの家は俺の家から1.5キロほど。全力で自転車をこけば、10分ほどで着くことが出来る。
なんで全力でこぐかって? さっき言われただろ、速攻で来いって。俺はこれでも約束はちゃんと
守る男でありたい。だから言われたことはちゃんと守り通してきたつもりだ。
家を出発して10分ほど、無事かわけんの家へ到着。すると、自転車を止める音に気が付いたのか、
かわけんは2階からひょこっと窓から顔を出して、俺にこう言った。
「ドア、開いてないよ笑」
「んー、じゃあ開けて?」
「えー、ヤダ♪」
「いや、開けて?」
「んー、無理―♪」
「………」
「いいから開けろおおおおおお!!!!!」
俺がそう近所の目も気にせず叫ぶと、かわけんはクスッと笑って窓から消えた。
そして無事、かわけんの家に入ることが出来た。2階へ続く階段を上がる途中、かわけんはこう言
った。
「お前なぁ、近所迷惑だろ笑 声張り上げすぎ笑」
「・・・・・・誰のせいだボケェェェッェェ!」
本日2度目の咆哮。それを聞いてこらえなくなったかわけんは、自分の部屋に入るとベッドに飛び
込み、
「ギャハハハハハハハハハハハハ!」
と、下品な笑い声を声高らかに部屋中に響かせた。このとき、親友という前言を撤回しようかな・・・
と思ったのは言うまでもない。とにもかくも、こいつは明るい奴だ。
遊びの内容は実に単純なもので、ゲームが主。次に音楽。そしてたまにゲーセンに行って太鼓の達
人でランキング入りしたり。基本インドアな遊びをしている俺達はまさに現代っ子!かな?
そんなことを繰り返す毎日だけど、飽きるわけでもない。そんなの理由は簡単。
かわけんがいるから。
そんな恥ずかしいこと、俺は一生言わないだろうな・・・。それに、もし言えたとしてもきっと冗談
って行ってごまかすんだろう。俺は今の関係で十分楽しい生活を送れてるから。言う必要なんてな
いと思ってる。
この話の事実と嘘の比率、6:4。