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いつかの事
初投稿です。拙いところも多々ありますが、どうぞ生暖かい目で見ていってください。
痛覚がすでに麻痺してしまったのか、先ほどまであんなに痛かったのにもう何も感じない。
視界も霞み、聴覚もすでに機能しなくなってきている。
…あぁ、私はまた。
無性に悲しくなった。
名前を呼ばれているけれど、それに答えるほどの気力もない。
震えた声、微かに感じる水滴が落ちてくる感覚。はっきりとしない視界でぼんやりと見える私がなんだかんだ言って好きだった色彩。
泣かないでよ。そんなこと、言わないで。せっかく私が……。
「…いき…て。」
ふっと私の世界は暗転した。
私には夢がある。
ある人たちにとってそれは当たり前で、ある人たちには切望されるもの。
前者の人達にいえば「そんなこと」と笑われるかも知れない。
それでも私にとっては大切な夢……だった。