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突然ではあるが私、中原真白は高校2年生の女の子だ。他人からの評価によると、ルックスはそれなり顔面偏差値もそれなりの上の下ランクの女の子であるらしい。
評価してもらって嬉しくはあるが、内容は納得いかない。自分のことを可愛いとは思ったことはないが、上の下ってなんか失礼な気がする。上なら上でいいんじゃないかしら。例えば、馬と鹿で書く馬鹿は一生懸命に生きてる動物さんに対して本当に失礼だと思う。それぐらい失礼。
教室で男子が話していたのを偶然耳にしたのだが、秦同様で男心はいまいち理解できない。
──でもなぁ。
実際のところ、どうなんだろう。
私は、はたから見て普通の女子高生でいられているのだろうか。自意識過剰かもしれないが、私は普通でありたい。そう強く思っている。
「実際、どうなの?」
隣に立つ幼馴染の緋ノ月秦に、なんとなく声をかけてみた。
「といわれましても」なんて小声で返す秦はイケメンだ。
私の評価は大分私情が挟まれているので当てにはならないが超紳士、超イケメン、超がつくほど頭が悪い。ごめん、少し言いすぎた。バカ。
そんな彼は現在、沈んでいる。テストが近いので休み時間も私に奪われスパルタ教育を施されているのだ。そりゃ沈むよね。
「それよりさ、知ってる? パブロフの犬」
「ああ、それな。知ってるよ」
「じゃあテスト。手を出して」
「いやだよ、握るんだろ? 恥ずかしいわ!」
「お手!」
「うわっ、何!? この条件反射」
あっという間に秦の手は私の手のひらに。この照れ屋さんめ。
「いい子ね、ポチ」
「なんかありきたりな名前だな。そして、パブロフ関係ないし……」
「それじゃビーフストロガノフ!」
「長い! それ料理名! 食べる気ですか!?」
「略してビーフ!」
「それじゃあ牛だよぅ」
そんなこんなでパブロフは関係なく話は進む。
「相変わらず仲のよろしいことよろしいこと」
話に割って入るこの女の子は蛇之目恵梨香といって私の親友だ。その名からして一見不気味ではあるが中身はいたって普通。私と違いグラマラスで黒髪が似合うクラスNo.1の美少女だ。さらに言えば体育会系の美少女なのだ。
「そんなに秦君のこと好きならいっそ付き合っちゃえばいいのに」
「でしょ? でしょ?」
「いやだよ、こんなやつ。恥ずかしい」首を振りながら手でバリアを張っている。しかも、なにこのいやらしい手つき。
「さっきから恥ずかしい、恥ずかしいって。私のなにが恥ずかしいのよ!」
「まぁまぁ、真白が邪魔しなければ秦君だってもうちょっと成績いいはずなんだから。少しは貴方も自重すべきよ?」
「そうだそうだ! 言ってやれ蛇之目」
「あなたもあなた。いちいち真白の振りを回収しなくていいの」
「もっと言ってやれーエリカ!」
「この二人、どこまでも子どもね」
「「え? え? なんて?」」ハモってしまった。
「はぁ……もういいわ。次の授業なにか覚えてる?」
「数学?」
「こっくごー」
「違う、体育!」
「「よっしゃー」」またハモった。
私たちに呆れたエリカはその場を去り、更衣室へと向かった。
「今日の種目は何かな? ドッジボールかな」
高校生にもなってドッジボール? と思うかもしれないが意外と真面目な話で、先生はガチなバトルがお好みな超体育会系のお姉さん。
遅れると授業が潰れるくらいの説教なので、秦とは一時離れ早めに更衣室へと移動した。
今書いているこの作品は私にとって2作品目となるのですが、1作品目はシナリオという形でした。地の分ではなくト書き。何かが違う。会話文は楽しく書かせていただいてます。仕様もない話ですけどね。




