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貴方の願いは誰かの願い  作者: どだ
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epilogue

 コンコンコン、窓をノックする音で目がさめる。こんな朝から誰だろう。といってもこんな事するのは秦をおいて他にいないのだが。


「って、え?」


 起き上がると、私は此処にいた。

 いつもの部屋、いつもの風景。

 昨日が最後の1日だったはずなのに……私は確かに此処にいる。驚きを隠せない。

 自分は生きている? と確認する様に手を見つめ握りしめた。

 頬もつねった。

 痛い。夢ではない。現実。

 そして窓の外には、もう見る事も会う事もふれる事も話す事もできないと思っていた秦の姿がそこにはあった。窓を開けて、と言わんばかりのノックで思わず苦笑する。その期待に応え窓を開ける。


「真白、外みろよ。綺麗な虹だ」


 空一面には、私の見慣れた綺麗で今までに見た事もないくらいの大きな虹があった。この虹が契約の虹なのか、自然現象の虹なのかはわからない。けれど、とても特別な何かに思えた。

 数日後、私たちはいつもの様に登校する。

 朝から一緒に。

 笑いながら。

 幸せそうに。

 恵梨香には「この数日で何があったの?」と言われるくらい仲がいい。それもそうだろう。私はカミサマと契約したはずなのに、なぜか此処にいる。何が起こったのかはわからない。だから毎日を惜しむように過ごしている。これはきっとカミサマからのプレゼントだろう。そう思っている。

 そして、私と秦には二人だけの秘密ができた。決してHな部類ではない。

 最後の1日以降、秦にも虹が見えるようになったのだ。あの日見た虹はまだ消えていない。朝も昼も夜も、私たちを見守るように、ずっと空にある。

 お天道様と一緒に、お月様と一緒に。私と秦の様に、隣にいる。

 そして、枯れ果てた草花も長い休眠を終えみるみる内に元気を取り戻している。みんな生きている。その謎の現象に、ニュースでも取り上げられていた。

 この町では不思議な事が度々が起こる。

 急に元気になった草花。

 生きている私。

 そして、私と秦しか見えない契約の虹。

 私たちの身に何が起こったのかはわからないが、私の(こころ)はきっとそれを知っている。




         < f i n . >

 夢、回想、急展開、視点移動、描写が少ない、と読んでくれている人を置いてけぼりにするような作品だったとおもいます。プロットどおりではあるけれど、もう少し熟慮すれば構成もいいものになっていたかもしれない。けれど、私は少しばかり満足しています。

 こういう裏話はあまりすべきではないと思いますが、本来、モヤっとする終わり方のはずでした。真白が消えて秦は一人で生きて行く。そういう終わり方のはずでした。でも書いている内に、特に真白は自分を投影している部分もあるので、幸せにしてあげなくちゃ、という気持ちの変化というか。

 決していい話ではないし、面白い話でもないオナニー小説でしたが完成できて嬉しく思います。

 最後に、今まで読んでくださった皆様ありがとうございました。

 次回も何かしら考えています。

 その時は宜しくお願いします。

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